サービス・商品倉庫管理システム(WMS)の開発、販売提供を手掛けるシーネット(千葉市美浜区)は27日、業務支援クラウドサービスのサイバーリンクス(和歌山市)、システム開発のリンネット(福岡市博多区)と共同で、小売や卸、物流のデータ連携を強化する「流通BMS標準対応のWMS」の開発を開始したと発表した。電子データ交換(EDI)を活用したスムーズなシステム連携で、小売業や卸業向けに短納期、低コストで導入できるWMSの実現を目指す。
小売業界ではデジタル化の進展によって、サプライチェーン全体でのデータ連携の重要性が高まっているが、EDIやWMS、配送、マテハン、データ分析などのシステムはそれぞれ個別に最適化されていることが多く、業務効率化を妨げる要因となっている。
特にEDIは、業界ガイドライン「流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準)」への対応が進む一方で、WMSでは個別カスタマイズが前提となっており、コストの増加に悩む企業も増えている。
このため、流通BMS標準に対応したWMSを開発することで、業界全体のデータ連携を容易にし、小売や卸、物流事業者それぞれがメリットを享受できる環境を構築しようと、3社で開発に取り組むことになった。
開発に当たっては、サイバーリンクスがクラウドプラットフォームを提供し、リンネットが流通BMSのヒアリング・マッピング(データ変換)を実施。シーネットがWMSの標準化を担当する。シーネットのWMS「ci.Himalayas/X」に流通BMSの標準取込フォーマットを構築し、サイバーリンクスのクラウドEDI-PlatformでEDIとWMSのスムーズな連携を図る。シーネットの標準フォーマットが使えない場合は、リンネットがデータ変換を行う。
また、サプライチェーンマネジメント(SCM)の専門的知見を取り入れるため、学習院大学の河合亜矢子教授をアドバイザーに迎え、流通BMSとWMSのデータ連携がもたらす業界全体のDX推進効果について、専門的な視点からの助言を受けながら進めていく。
こうしたシステムの実現によって、短納期・低コストでのWMS導入や、EDIとWMSのスムーズなデータ連携が可能になり、流通小売業界の物流DXを加速し、業務負担の軽減ができるとしている。
3社は、まずはEDIとWMSの標準化を推進したうえで、物流DXの実現へ向け、連携強化を図りながら小売業界に必要なシステムを柔軟に拡張し、業界全体の効率化を支援していくとしている。
サイバーリンクスは今回の開発内容について、3月4日から7日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される流通情報システム総合展「リテールテックジャパン2025」で展示する。
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