調査・データITメディア事業のインプレス(東京都千代田区)は25日、国内のドローンビジネスの市場規模は2024年度に4371億円になると見られ、30年には1兆円を超えるとしたレポートを公表した。詳細な報告書は28日に発売する。
同社のインプレス総合研究所が調査結果をまとめた。それによると、24年度の日本国内におけるドローンビジネスの市場規模は、前年度の3854億円から517億円増加し、13.4%の増となる見込み。25年度は4987億円に拡大するとした。さらに、24年度から30年度にかけての年間平均成長率は15.2%で推移し、30年度には1兆195億円に達すると予測した。
ドローンビジネスの市場は機体、サービス、周辺サービスの3つで構成され、24年度に市場規模が最も大きかったのはサービス市場の2295億円(前年度比13.3%増)だった。機体市場が1134億円(同7.9%増)、周辺サービス市場が942億円(同21.0%増)。各市場ともに今後も拡大を続け、30年度にはサービス市場が5288億円、機体市場は2746億円、周辺サービス市場が2161億円に達するとした。
機体市場では24年、20-30キロの重量物の運搬に特化したドローンの有力な機体が発売され、運搬分野でドローンの利用がさらに広がった。土木・建築現場や農地などでの資機材や農産物の運搬への活用が期待されている。一方で、ドローンで屋内の点検を行う事業者も増えており、ドローンが狭い空間の点検に使えるという認識が広まってきている。
また、新たに4機種が第二種型式認証の認証を受け、第一種型式認証は1機種、第二種型式認証は5機種となった。レベル4飛行に欠かせない第一種型式認証に加え、技能証明との組み合わせで許可・承認を省略できる第二種型式認証のドローンは今後も増加が予想される。
サービス市場では、点検、土木・建築、農業の分野で利用が進んでいる。点検分野では、自社保有の設備をドローンで点検していた企業が、そのノウハウを活用しサービスを外販する動きが見られる。
農業分野では、ドローンによる農薬散布が定着しつつあり、政府の補助金・支援策によって、今後もさらなる普及が見込まれる。林業分野では資材や苗木の運搬のほか、病害虫の調査でも活用が広がっている。
数百から数千のドローンを群制御して、機体のライトで夜空に文字や図形、アニメーションを描くドローンショーは、市場規模が前年比で2倍と急速に拡大した。花火大会やスポーツイベントなどとあわせて全国各地で行われており、開催数は増加傾向にある。
周辺サービス市場では、バッテリーなどの消耗品の供給や定期的なメンテナンス、業務環境に即した保険商品の開発などで、機体市場の拡大に合わせて成長が見込める。大手ドローンメーカーが、ドローンを充電したり、取得したデータをクラウドなどにアップロードしたりできるドローンポートを開発。ドローンを使用した自動化システムに欠かせない存在になると期待されている。また、有人地帯での目視外飛行(レベル4飛行)の解禁は、ドローンの機体やソリューションだけでなく、周辺ビジネスの拡大にも波及すると見込まれ、レベル4飛行を安全に実行するための気象情報サービスや運航管理システムなどの拡大も予想される。
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