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沖縄の飲料輸出が過去最高に、ビールなど寄与

2025年5月23日 (金)

調査・データ沖縄地区税関は21日、沖縄の輸出貿易動向として「飲料」の輸出についてまとめた。

沖縄の「飲料」の輸出は2020年に新型コロナウイルス感染症の拡大により減少したものの、その後は全体的に増加。24年の数量は9619キロリットル(前年比40.2%増)、金額は21億3951万円(同28.1%増)となり、数量および金額ともに過去最高だった。なおことし1月-3月の累計は、数量2034キロリットル(4.6%減)、金額5億1473万円(5.6%減)となっている。沖縄地区税関管内から輸出される「飲料」の品目には、ビール、泡盛、ウイスキー、ラム、ジン、ウォッカ、リキュールなどがあり、輸出額の割合で最も多い品目はビール(76.38%)となっている。次いでウイスキーが7.8%、泡盛が1.24%と続く。

ビールの輸出実績は20年に減少したものの21年以降、右肩上がりで増加。24年の輸出実績は数量8677キロリットル(43.2%増)、金額16億3408万円(42.7%増)となり、数量および金額ともに過去最高だった。ことし1月-3月の累計は数量1846キロリットル(6.9%減)、金額3億6595万円(3.6%減)だった。

泡盛の輸出実績は21年に数量44キロリットル(5.5倍)、金額3649万円(5.1倍)となり過去最高だった。沖縄県酒造組合によると、国の農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略の輸出重点27品目に「本格焼酎・泡盛」が指定されたこと、輸出ターゲット国(中国、アメリカおよび台湾)のニーズや規制などに対応するための国および県の支援が得られたこと、さらに「琉球泡盛海外輸出プロジェクト」支援事業などを活用した販路拡大に向けた取組みが過去最高の輸出数量を後押しした。

ウイスキーの24年の輸出実績は、数量79キロリットル(60.3%増)、金額1億6686万円(40.9%増)となり、数量では過去2番目、金額では過去3番目だった。数量が過去最高だったのは2000年(数量104キロリットル、金額1億1238万円)で、この年は沖縄サミットが開催され、これを記念したウイスキーが製造・販売されていた。ことし1月-3月の累計は、数量20キロリットル(0.5%減)、金額6589万円(2.4倍)だった。

近年、ウイスキーの輸出は増加傾向にあるものの泡盛の輸出が低迷している。これについて業界では泡盛の知名度が低いこと、商談時に「泡盛」についての説明が長くなり商機を逃すという理由が考えられる。ウイスキーと泡盛はどちらも蒸留酒であり既存の泡盛の製造設備を転用しウイスキーを製造することが可能であるため、今後の貿易ではウイスキーから販路を広げ、最終的には泡盛を広める方針という。

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LOGISTICS TODAY編集部
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