ロジスティクス全日本トラック協会は5日、第210回理事会を都内ホテルで開催した。5月27日に衆議院、今月4日に参議院でトラック新法がスピード可決した悲願成就も手伝ってか、開会前から場内は各所で会員同士の笑顔と歓談で溢れた。会場内では、同協会発行の「広報とらっく」の号外が配られた。「坂本会長 皆さんの力とともに業界の底力で『国政』を動かす!!」の大見出しと共に、今回の可決の詳細な経緯を綴った号外の紙面を熱心に読みふける姿も目立った。

▲第210回理事会の会場内
会の冒頭、挨拶に立った全日本トラック協会の坂本克己会長は「みなさまの底力のおかげで、あっという間に法案が可決した。本当にありがとうございます」と謝意を伝えた。さらに、坂本会長は笑顔を抑え、今回の法案が持つ意味について言及した。「今回の可決とはいわば、皆さんの手で仏様を作ったようなものだ。私たちは仏様からご利益を得なければならない。そのためには、御神体に魂を吹きこまないとあかん。それは現場の声や意見を法案に反映させ、新法をより良いものにする必要がある。真面目な運送事業者が稼ぎを得られ、業界が本当に健全化、適正化していくのか、これからが勝負だ。今後の皆さんと共に1つの方向に立ち向かっていきたい」と述べた。

▲法案可決を受け、謝意を伝える坂本会長
さらに、来賓挨拶に立った国土交通省物流・自動車局長の鶴田浩久氏は「法案成立おめでとうございます。汗をかいておられる皆さまが報われる、そういう社会にするために、私たちはトラック運送事業の発展のために全力を尽くしてまいりたい」の述べた。
次に公正取引委員会事務総局経済取引局取引部企業取引課長の亀井明紀氏が下請法の改正について説明。今回、法律名が「中小企業協同取引適正化法」に変更となり、対象範囲が拡大されるとした。「荷主に対し、契約書面の発行義務などが発生する。問題行為があれば公取委が監視・勧告できる。トラック事業者などからの情報提供に不利益を与える行為も禁止だ。一方的に運賃等を決めるなど、価格転嫁拒否についても取り締まり対象になる。値下げだけでなく、必要な値上げに応じない取扱いも規制される。トラック業界など現場から声を吸い上げ、正直に事業する業者がしっかり健全経営できる社会を目指す。悪質な荷主・元請にきちんと対処し、正しい取引慣行を社会全体に根付かせたい」と意欲を示した。
その後、会は閉会までに理事会は予定議事および報告事項の全てを滞りなく処理した。
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