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大王海運、内航RORO船でAI運航監視を実証

2026年5月28日 (木)

ロジスティクス大王海運(愛媛県四国中央市)と美須賀海運(東京都千代田区)は28日、東京大学発の3D・AI(人工知能)技術スタートアップのWOGO(ヲゴ、同)と共同で、AIカメラを中心とした船舶向け統合運航監視システムを開発し、大王海運が運航する内航RORO船「第3はる丸」で実証実験を始めたと発表した。実際の航行環境で、システムの稼働安定性や検知精度、安全運航への有効性を検証する。

内航海運は国内物流の約4割を担う一方、船員の高齢化や人手不足が進み、24時間体制での目視監視には負担が大きい。海難事故では見張り不十分などのヒューマンエラーが課題とされるが、既存のレーダーやAIS(船舶自動識別装置)だけでは、AISを搭載していない小型漁船、プレジャーボート、ブイなど沿岸部特有の障害物を十分に把握しにくい。最終判断が熟練船員の経験に依存する構造も、技術継承の面で課題となっている。

今回のシステムは、船橋前方に設置した複数のカメラとエッジAIを組み合わせ、船上で常時監視を行う。3眼の4Kワイドカメラで前方180度を広くカバーし、1眼の光学ズームカメラで遠方の物標を探索・検知する。近距離の広域把握と遠距離の精密探知を同時に行う設計だ。

船橋モニターにリアルタイム表示したAIカメラモニター(出所:大王海運)

搭載するエッジAIは、映像からAIS非搭載の小型船舶やブイなどを自動検知・追跡し、レーダーやAISのデータと統合して船橋モニターにリアルタイム表示する。通信環境に依存しない船上完結型の処理により、洋上でも即時にアラートを出せるようにした。

実証では、大王海運が実装フィールドの提供と実運用、要件フィードバックを担い、美須賀海運が現場オペレーション評価と船舶管理の知見を提供する。WOGOはシステム開発、AIモデル実装、ハードウェア設計、現地対応を担当する。稼働安定性と検知精度、既存航海計器との連携、統合解析の有効性、操作性や業務負荷の変化などを検証する。

3社は、システムの実用化により、衝突事故による船体・貨物損傷や油流出などの環境リスクの低減、見張り業務の省力化、船員の疲労軽減、若手船員への技術継承につなげる考えだ。今後は対象船種や隻数を広げ、内航船に加えて外航船での活用も視野に入れる。美須賀海運が所有・管理する木材チップ船や石炭専用船でも実証を重ね、カメラ、レーダー、各種センサーをAIで統合解析する運航支援システムへの発展を目指す。

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