調査・データ商業用不動産情報の米コスターグループは16日、米国の工業用不動産市場で、築浅の大型物流施設を中心に空室率が低下し始めたとの分析を発表した。50万平方フィート超の新しい物流施設では、ここ数四半期で需要が回復し、空室率が縮小している。一方、中小規模の倉庫や築5年以内の新築物件では供給増の消化に時間がかかっており、市場の二極化が進んでいる。
同社によると、大型物流テナントは2025年後半から市場に戻り始め、BTS型施設の竣工に伴う入居が吸収を押し上げた。賃貸需要は底堅いものの、大型契約の平均賃貸期間は22年の7年から現在は5年程度に短縮している。サプライチェーンの変動、貿易環境の変化、消費需要の不透明感を背景に、テナントが長期契約を避け、事業環境に応じて拠点規模を調整しやすい短期契約を選ぶ傾向が強まっている。
規模別では、小型区画物件の空室率は6.4%で、広義の物流市場全体の10.9%を下回った。小型区画では安定した賃貸活動と限定的な新規供給により、近年は空室率が抑えられてきた。ただ、経済の先行き不透明感が中小企業の拡張計画に影響し、特に新規竣工スペースへの需要には重しとなっている。
主要市場では、フェニックスやオースティンで小型区画の供給追加が進んだことから、この分野の空室率が比較的高い水準にある。築5年以内で20万平方フィート超の新しい物流施設では、中規模物件を中心に供給消化が長引いている。新しい物流施設の空室率は、50万平方フィート超の最大規模物件を除き、06年以来の高水準にあるという。
築浅の大型施設の空室率低下は、物流拠点需要が一部で戻り始めたことを示す一方、契約期間の短縮や中小規模物件の需給緩和は、米国物流不動産市場がなお慎重な局面にあることを映している。
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