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ABB、義手データでロボ把持力強化

2026年6月17日 (水)

国際ABBロボティクス(スイス)は16日、米カリフォルニア州のバイオニクス企業サイオニックと、ロボットの把持能力や器用さを高める取り組みで協業すると発表した。人が義手を使う際に生じる実際の動作、接触、把持力のデータを活用し、繊細でばらつきのある作業をロボットに学習させる。包装、物流、自動車、航空宇宙、ライフサイエンスなど、従来の自動化が難しかった領域への応用を見込む。

協業では、サイオニックの義手「Ability Hand」をABBの協働ロボット「GoFa」に組み合わせる。Ability Handは筋電制御、触覚センサー、柔軟な指機構を備え、接触や把持力、離す動作を検知できる。もともとは義手向けに開発されたが、人の使用データをロボット制御に転用することで、不規則な形状や壊れやすい対象物の取り扱い精度を高める狙いがある。

(出所:ABBロボティクス)

ABBは、ロボットが周囲を認識し、判断し、動作し、物体を正確に扱う「Autonomous Versatile Robotics」(AVR)を次世代の方向性に掲げている。物流現場では、商品の形状や硬さ、包装状態が一定でないため、把持技術は自動化の大きな制約となってきた。両社は、人由来の高精度な操作データと産業用ロボットの再現性を組み合わせ、こうした課題の解消を目指す。

ABBのGoFaは、産業用途に必要な精度と反復性を担い、指の位置や把持力、動作の微細な違いを安定して再現・評価する。サイオニックはABBの研究開発チームと連携し、触覚を備えたマニピュレーション技術を次世代の自律型ロボット用途に展開する。

国際ロボット連盟(IFR)によると、高度な把持システムとデジタル統合により、エンジニアリング時間を最大30%削減できる可能性がある。ABBは今回の協業を通じ、AI(人工知能)、ロボット、実環境の操作データを組み合わせたフィジカルAIの開発を進め、変動の大きい現場でも信頼性を持って動くロボットの実装につなげる考えだ。

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