調査・データSurvey Reports(東京都江東区)は23日、市場調査報告書「日本のコネクテッドロジスティクス市場の分析、動向、機会、予測、2025-2035年」を発表した。
日本のコネクテッド・ロジスティクス市場は2025年から2035年にかけて年平均成長率(CAGR)15.5%で成長すると予測されている。「コネクテッド・ロジスティクス」は、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)、ブロックチェーン、ビッグデータ分析などの先進技術を活用し、リアルタイムのサプライチェーンエコシステムを構築する取り組みをいい、日本はこの分野で市場を牽引している。今後、サプライチェーンの最適化、コスト削減、業務効率の向上を目的としたスマートテクノロジーの導入が進むにつれ、大きく拡大する見通し。
市場が成長している要因として、電子商取引ブームによるオンライン小売需要の急増があり、より迅速で透明性の高い効率的なロジスティクス・ソリューションが必要とされている。また労働力不足により、倉庫管理やラストワンマイルデリバリーの自動化が加速。さらに「Society 5.0」のような政策やスマートインフラへの投資もデジタルトランスフォーメーションを促進している。加えて、企業が二酸化炭素排出量を削減するためグリーン・ロジスティクス技術を採用していることも要因のひとつとなっている。
主な市場動向として、IoTを活用した車両・倉庫管理、需要予測のためのAIと予測分析、透明性とセキュリティのためのブロックチェーン、自律走行車とドローン、生鮮品のコールドチェーン監視といった分野で特に注目を集めている。
一方、市場の課題として、導入コストの高さが障壁となっている。またデータ・プライバシーに関する規制が厳しくなっていること、多くの企業が旧式のインフラに依存していることなども課題に挙がっている。
市場の展望として今後、スマートシティプロジェクトやエッジコンピューティング(港湾、倉庫などのソースにおける物流データの高速処理)、ロボティクス・アズ・ア・サービス(RaaS)などを原動力に、さらに成長が加速すると予想されている。
また市場に関する日本企業の動きとして、日本通運が倉庫自動化のためのIoTとロボティクスに多額の投資。ヤマトホールディングスはAIを活用したルート最適化など、ラストマイル配送ソリューションの先駆者となっている。ソニーのAI・IoT部門はセンサーとデータ分析ソリューションを物流に提供している。そのほかグローバル企業はAIやブロックチェーンと統合したクラウドベースの物流プラットフォームを提供。ドローン・ロジスティクスやリアルタイムの運賃マッチングなど、ニッチな分野に特化した新興企業も台頭している。
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