調査・データアフリカ・グローバル・ロジスティクス(AGL、フランス)は8日、アフリカの市場動向について発表した。
2025年上半期、アフリカ大陸の物流市場は海上貨物輸入の増加に支えられ、堅調な成長を示した。特にサハラ以南アフリカではアジア・北米からの数量がそれぞれ20%以上伸びたことを背景に、前年同期比で14%増となった。アジア・アフリカルートは製造品や機器輸出がけん引し、北米・アフリカルートは食品や医薬品分野で成長を示した。一方、欧州・アフリカルートは地政学的緊張や物流コスト上昇の影響で安定にとどまった。
国際航空運送協会(IATA)によると、航空貨物の輸送量は第2四半期に米国向け輸出が減少したことや、エネルギーコスト上昇の影響で前年同期比で13.4%減少した。特に米国への輸出量は新たな関税導入の影響で減少。この傾向は5月も続き、エネルギーコストの上昇と地政学的緊張の影響を受け2.1%減少した。7月にはアジア・アフリカ路線の輸送量増加(前年同期比12%)とジェット燃料価格の低下(同9.1%減)により、7月には9.4%増と回復した。
陸上輸送も拡大傾向にあり、南アフリカでは道路・鉄道輸送が航空・海上輸送に取って代わり、効率的で低コストな輸送手段として利用されている。鉄道インフラの近代化により、南アフリカでは29年までに年間2億5000万トンの貨物輸送を目指す計画で、石炭輸出は1000万トン増加する見込みとしている。ケニアでも冷蔵コンテナ輸送の導入により生鮮食品の物流が強化される見込みであり、港湾・鉄道複合輸送も発展が進んでいる。
一方、新たな課題も浮上している。25年8月、米国はアフリカからの輸出に関税を導入し、南アフリカやマダガスカル、ガーナ、レソト、ナミビアなどの主要輸出国に影響を与えている。アフリカから米国への最大の輸出国である南アフリカでは、最も高い関税(30%)に直面しており、自動車や農産物、繊維、ワインの輸出に打撃が及び、最大で10万人以上の雇用喪失が懸念されている。これに対応し、各国は欧州・中東向け輸出ルートの多角化や外交交渉を進めている。
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