ロジスティクス欧州委員会は、欧州連合(EU)域内の鉄鋼産業を保護するため、新たな貿易防衛措置を提案した。
提案の柱は3点。まず、関税なしで輸入できる鉄鋼量を年間1830万トンに制限し、2024年比で47%削減する。次に、枠を超える輸入への関税を25%から50%に倍増。さらに、製鋼と鋳造の工程をEU域内で行うことを義務付ける「メルト・アンド・ポア」要件を導入し、原産地の完全なトレーサビリティーを確保する。現行の鉄鋼セーフガード(緊急輸入制限)は26年6月に失効予定で、新制度はその後継となる見通しだ。
ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長は「世界的な過剰生産が欧州鉄鋼業の脱炭素投資と雇用を脅かしている」と危機感を表明。提案はWTO(世界貿易機関)ルールに準拠しており、今後は欧州議会と理事会での審議を経て正式決定される。
欧州委は7月に開いた原産地規則対話でも、鉄鋼業界の競争力低下を主要議題に取り上げていた。業界団体からは「メルト・アンド・ポア」認証の厳格化や、不公正競争に対抗する強力な貿易措置を求める声が上がっている。
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