調査・データ日本生産性本部(東京都千代田区)は10日、日本は2000年以降で最も長い生産性上昇局面になっているとする調査レポート「日本労働生産性の動向2025」を発表した。24年度の日本の時間当たりの名目労働生産性は5543円で、現行基準のGDPをもとに計算できる1994年度以降でみると最も高い水準だった。
同本部では、経済成長や働く人の豊かさを実現する政策立案、施策の展開に役立てるため、日本の労働生産性の現状を定点観測・分析して公表している。
レポートによると、就業1時間当たり付加価値額を表す労働生産性は、名目だけでなく、物価上昇分を織り込んだ実質ベースでも、前年度比プラス0.2%で、4年連続の上昇となった。
四半期ベースでみても、2024年1‐3月期から25年4-6月期まで6四半期連続でプラスが続いている。この間の上昇率平均はプラス0.5%にとどまるが、16年10‐12月期から17年10‐12月期までの5四半期連続を更新し、2000年以降で最も長い生産性上昇局面となっている。
また、24年度の日本の1人当たり名目労働生産性(就業者1人当たり付加価値額)は907万円で、物価上昇分を含めた実質ベースでは前年度比プラス0.2%だった。実質ベースの一人あたり労働生産性上昇率は前年度比プラス0.2%。実質ベースで4年連続のプラスとなったが、23年度のプラス0.1%に続いて0%近くで推移している。
産業分野別に見ると、労働生産性上昇率が最も高かったのは、運輸・郵便業で前年度比プラス3.8%だった。時間外労働の上限規制が適用されたことで労働投入が減少する一方、需要が底堅く推移したのが労働生産性の上昇につながった。
全体では、労働生産性が前年度より改善したのは、主要17産業中、運輸・郵便、金融・保険、情報通信など7分野だった。一方、生活関連サービス業と飲食店がともにマイナス0.9%、宿泊業がマイナス3.8%といった対個人向けサービスがマイナスに転じた。売上などは堅調だったものの、雇用や労働時間の増加が影響した。
また、ことし4-6月の労働生産性をみると、上昇率がプラスの分野が増え、事業者関連サービス(前年同期比プラス5.1%)や生活関連サービス業(同プラス3.7%)、運輸・郵便業(プラス3.3%)など、主要17産業中11分野で労働生産性上昇率がプラスになった。
一方で、市況がやや停滞している小売業(マイナス2.0%)や宿泊業(マイナス3.7%)は、足もとで雇用や労働時間が増加していることもあって労働生産性上昇率の低下幅が拡大している。
同本部ではことし12月下旬、世界各国との労働生産性の比較結果を公表する。
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