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フェデックス 全米475駅閉鎖へ 統合再編が加速

2026年3月6日 (金)

国際フェデックス(米国)が進めるグラウンドとエクスプレスのネットワーク統合計画「Network 2.0」が、大規模な施設閉鎖の段階に入った。同社は2027年末までに全米で475以上の拠点を閉鎖する方針で、施設全体の30%にあたる。直近ではニューヨーク州の9拠点を6月に閉鎖すると発表し、地元の中小事業者やeコマース企業に波紋が広がっている。(編集長・赤澤裕介)

Network 2.0は、歴史的に別々に運営されてきたエクスプレス(航空速達)とグラウンド(陸送)の重複ルートを解消し、「1台のバンが1つの地域をカバーする」体制に移行する計画だ。2月12日のインベスター・デイで、米国・カナダ地上輸送部門のCOO就任予定者スコット・レイ氏が進捗を報告した。既に200以上の拠点を閉鎖済みで、これまで中小都市から着手してきた最適化を、今後はサンフランシスコなど大都市圏に広げる。

現時点で米国・カナダの適格平均日量の25%が360以上の最適化済み拠点を経由しており、26年のピークシーズンまでに65%へ引き上げる。導入済み市場ではピックアップ・デリバリーコストが10%下がった。フェデックスは27年末までに20億ドル(3000億円規模)のコスト削減を見込む。

▲ネットワーク再編計画の進捗(クリックで拡大)

NY州9拠点が6月閉鎖、地元に波紋

ニューヨーク州では、シラキュース、エルマイラ、ビンガムトン/カークウッド、イサカ、ユーティカ、バッファロー/チークトワガ、コンクリン、プラッツバーグ、ウォータータウンのエクスプレス拠点が6月に閉鎖される。フェデックスは対象従業員に退職手当か社内異動を提示している。

地元メディアの取材に対し、日常的にフェデックスを利用する小売店は「拠点を減らして本当にサービスが維持できるのか」と懸念を示した。フェデックスは統合で配送速度の維持・向上、荷物追跡の精度改善を実現するとしているが、移行期の混乱リスクは残る。

同社はNetwork 2.0と並行して、6月1日にLTL(混載貨物)部門フェデックス・フレイトをニューヨーク証券取引所に独立上場させる(ティッカー「FDXF」)。年間売上高90億ドル規模の北米最大LTLキャリアが単独企業として誕生する。フレイト分社化とNetwork 2.0の大規模施設閉鎖が同じ6月に重なることで、パーセル(小口宅配)事業への経営資源集中が鮮明になった。

インベスター・デイでは29年の米国国内セグメント営業利益率10%、国際8%の目標も示された。欧州では宅配ロッカー大手インポスト(InPost)の非公開化にも合意しており、施設削減後のラストマイル補完策としてロッカー網の活用も視野に入る。

米国宅配最大手が進める史上最大規模のネットワーク統合は、eコマース荷主や国際フォワーダーのルート戦略にも影響を及ぼす。米国向け越境ECや現地配送網を持つ日本企業にとっても、キャリア選定の見直しが必要な局面だ。

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