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自家用有償運送、時間単位の稼働容認

2026年3月31日 (火)
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ロジスティクストラック事業者の管理下で例外的に認めてきた自家用車による有償運送が、4月1日から時間単位で使えるようになる。許可台数の上限もあわせて撤廃される。国土交通省(国交省)は31日、ラストマイル通達の改正に対するパブリックコメントの結果を公表し、原案通り施行する方針を確認した。11の個人・団体から39件の意見が寄せられたが、制度の骨格に変更はない。

従来の制度では、自家用車の有償運送は日単位でしか認めていなかった。改正後は、システムによる時間管理を条件に、時間単位での稼働が可能になる。午前中の2時間だけ自家用車を宅配に投入し、残りの枠を別の日に回す運用が制度上可能になる。台数の許可上限もなくなり、同時に稼働する台数も年間稼働日数の範囲内であれば制限しない。

年間稼働の上限は、事業用自動車の台数に90日を乗じた日数。時間単位を選ぶ場合は、同じ日数にさらに8時間を乗じた時間数が上限となる。日単位と時間単位の併用はできない。事業者は年度ごとにどちらの方式で運用するかを選ぶ必要がある。時間単位はピーク時間帯に集中投入する運用に向き、日単位は終日稼働に向く。

パブリックコメントでは安全面への懸念が寄せられた。「速度記録のない自家用車ではスピード違反や安全確認の不備が横行しかねない」「安全対策を明確にしない限り制度を実施すべきでない」との指摘に対し、国交省は通達の中で運送需要者である貨物自動車運送事業者が運転者に法令遵守や事故防止の対策を実施し、輸送の安全確保に「努める」と定めていると回答した。

パブコメで競争環境への懸念も

「制度が使いやすくなることで白トラ行為や名義借りの温床になる」との意見に対しては、本通達が道路運送法第78条第3号に基づく許可制度であり、公共の福祉を確保するためやむを得ない場合に限ると説明した。都市部でのクリームスキミングや地方物流基盤の弱体化を懸念する声には「規制緩和ではなく運用の弾力化」であり、年間稼働日数の上限は維持していると回答した。

稼働時間の記録については、専用システムに限定しない。LINEなど一般的な通信ツールのチャット機能も、書面または電磁的記録により管理ができ信頼性が担保できる場合に限り利用可能とした。記録媒体は許可の利用期間が満了した翌日から3か月以内に運輸管理部長または運輸支局長に提出する。

改正は2025年11月の「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会」の提言に基づく。EC拡大に伴い宅配需要が特定時間帯に集中する傾向が強まっており、需要波動に対応する狙いがある。

◆ この記事をより深く理解するために ◆

「自家用有償運送の規制弾力化、宅配供給に転機」(3月31日)

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