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苫小牧埠頭、脱炭素・食・広域物流で成長軸再構築

2026年4月9日 (木)
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ロジスティクス苫小牧埠頭(北海道苫小牧市)は8日、2026-28年度を対象とする新中期経営計画「チャレンジ“超TOMA”~Super苫小牧, Beyond Borders~」を策定したと発表した。人口減少や人手不足、脱炭素化、デジタル化といった外部環境の変化に対応し、2040年ビジョンの実現に向けた基盤固めと成長投資を両立させる計画と位置付ける。最終年度の主要経営目標として、売上高430億円、経常利益40億円、ROE(自己資本利益率)8%以上を掲げる。

計画の中核は「収益力強化」「事業領域拡張」「ネットワーク拡大」の3本柱で構成。既存事業では顧客ニーズへの対応力向上や料金適正化、自動化・標準化による生産性向上を進め、収益基盤の安定化を図る。一方で新規領域では、脱炭素や食関連といった成長分野への参入を加速させ、港湾物流を起点とした事業ポートフォリオの転換を狙う。

具体的には、アンモニア拠点整備やCCUS(CO2回収・貯留)関連事業への参画、代替燃料対応などエネルギー分野での取り組みを強化する。加えて、道産食品の輸出支援やコールドチェーンの高度化を通じて、食関連物流の付加価値向上を図る。半導体や蓄電池などの需要拡大を見据えた危険物保管機能の強化や、「ハズマットゲートウェイ」構想の推進も掲げ、産業構造の変化に応じた物流機能の拡張を進める。

ネットワーク戦略では、苫小牧を中核としつつ道内外・海外へと拠点展開を広げる。中継輸送拠点の整備やモーダルシフト推進により、北海道内の分散需要に対応した広域物流網を再構築するほか、首都圏拠点の再編や国際一貫輸送への本格参入を通じて取扱貨物の拡大を図る。海外拠点の設置検討や北極海航路の活用検討なども視野に入れ、国際ネットワークの強化を進める。

投資面では3年間で最大230億円を投じ、うち180億円を成長投資に充てる。スマートロジスティクス関連では、自動搬送やIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)による需要予測・配車最適化などの導入を進め、省人化と効率化を両立させる。社内には専任組織を設置し、現場横断でのデジタル活用と業務改革を推進する。

人材戦略も重要な柱となる。採用手法の多様化や外国人材の活用、定年延長に加え、人材確保を目的としたM&Aも選択肢とするなど、労働力制約への対応を強化する。さらに連結決算の導入や拠点再編を通じてグループ経営への移行を進め、全体最適での資源配分とシナジー創出を図る。

港湾物流を基盤としつつ、エネルギー、食品、デジタル領域へと事業軸を拡張する戦略は、地域物流企業から「物流イネーブラー」への転換を意識したものだ。一方で、人口減少による需要縮小や人材不足といった構造制約は依然として大きく、大型投資と新規事業の収益化をいかに両立させるかが、中計の実効性を左右する。

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