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運送業の外国人材活用に壁、制度理解不足が顕在化

2026年4月16日 (木)

調査・データ外国人材紹介や派遣事業を手がけるG.A.グループ(東京都渋谷区)が16日発表した調査によると、運送業界では外国人材活用に向けた制度理解や受け入れ体制の整備が進んでおらず、人手不足対策としての活用が本格化していない実態が明らかになった。

調査は運送業の経営者289人を対象に、2026年3月末から4月初旬にかけて実施した。外国人材採用制度(特定技能や育成就労)に関する理解度は、「名称は知っているが内容は理解していない」が36.0%、「全く知らない」が18.7%で、合計54.7%が制度を十分に理解していない結果となった。「十分に理解している」は14.2%にとどまり、認知段階にとどまる層が過半を占める。

(クリックで拡大、出所:G.A.グループ)

外国人材を「これまで採用したことがない」とする回答は73.0%に達し、採用中または採用経験のある企業はいずれも13.5%にとどまった。制度整備が進む一方で、現場への浸透は限定的にとどまっている。

受け入れ体制の整備状況も消極的だ。未採用企業のうち「準備する予定はない」が59.6%、「準備できておらず検討もできていない」が24.8%と、8割以上が体制整備に着手していない。人手不足が深刻化するなかでも、具体的な対応は進んでいない。

採用に踏み切れない理由は、「言語やコミュニケーションへの不安」が38.8%で最多となり、「文化・価値観の違いによる摩擦」(27.6%)、「受け入れ体制整備のリソース不足」(22.4%)が続いた。制度面よりも現場運用への不安が意思決定に影響している。

今後の採用意向も慎重姿勢が目立つ。「全く採用する予定はない」が49.2%、「あまり採用したくない」が11.2%で、6割が消極的と回答した。一方、「条件が合えば採用したい」は25.2%と一定の潜在需要はあるものの、具体化には至っていない。

一方で、すでに外国人材を採用している企業では、現場の生産性が「やや上がった」が25.6%、「大きく上がった」が18.0%と、計43.6%が改善を実感。「変わらない」(51.3%)を含めても大きな悪化は見られず、一定の効果が確認されている。

特定技能の対象拡大など制度整備は進むが、制度と現場の間にはなおギャップがみられる。情報不足や心理的障壁が普及を阻んでおり、受け入れ体制の標準化や教育・定着支援を含めた運用面での支援が進まなければ、導入は一部企業にとどまる可能性が高い。

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LOGISTICS TODAY編集部
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