荷主石油資源開発(JAPEX)は22日、2035年度までの10年間を対象とする中長期経営計画「JAPEX経営計画2026-2035」を策定した。海外の石油・天然ガス開発(E&P)とCO2回収・貯留(CCUS)を中核に据え、総額1兆5000億円の成長投資を通じて収益基盤の再構築を図る。エネルギー安定供給と脱炭素の両立を前提に、事業ポートフォリオの転換を進める方針だ。
計画では、26年度から30年度を「コア資産群の構築期間」、31年度以降を「収益貢献の本格化期間」と位置づける。海外E&Pを主力収益源としつつ、CCUSの商業化を進め、35年度にはCO2累計貯留量800万トン以上の実現を目標に掲げた。生産量は25年度比で4倍となる18万BOE/D規模への拡大を見込む。
財務目標としては、35年度に最終利益1000億円規模、ROE(自己資本利益率)12%以上を設定。資本コストの上昇を踏まえ、ROIC(投下資本利益率)管理を軸に投資判断と資産入替を機動的に行う。成長投資は海外E&Pが中心で、米国やノルウェー、東南アジアなど4エリアに経営資源を集中する。米国ではタイトオイル・ガス資産を起点に早期収益化を図り、ノルウェーでは探鉱・開発・生産の組み合わせによる安定収益モデルを構築する。
国内では既存油ガス田やインフラ事業で収益を下支えしつつ、苫小牧CCSなどを軸にCCUSの事業化を推進する。東南アジアではE&PとCCUSの一体開発を進め、将来の大規模ガス田開発につなげる構えだ。これらの地域戦略により、開発時期やリスクを分散しながら収益の安定化を図る。
あわせて、人的資本の強化やDX(デジタルトランスフォーメーション)による意思決定の迅速化、組織カルチャー改革を「コーポレートトランスフォーメーション」と位置づけ、実行力の底上げを進める。データ統合基盤の活用により投資・撤退判断の高度化を図るなど、ポートフォリオ経営の精度向上を狙う。
地政学リスクの高まりを受け、エネルギー安定供給の重要性が再認識されるとともに、脱炭素への現実的移行も進展している。石油・天然ガス需要は中長期的に拡大が見込まれる一方、資本市場からは資本効率を重視した経営が求められている。こうした環境下で、従来計画で課題とされた資産積み上げの遅れを補い、持続的成長に向けた基盤構築を急ぐ。
同社は今後、必要に応じて資産売却やM&Aも活用しながらポートフォリオの最適化を進める。エネルギー供給と脱炭素対応を同時に追求する戦略の実効性が、中長期の企業価値を左右する局面に入っている。
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