国際米運輸省海事局(MARAD)は4月28日、全米港湾インフラ強化に向け総額7億7400万ドルを投資すると発表した。対象は沿岸港湾、五大湖港湾、内陸河川港湾など37案件で、鉄道トンネル拡張や貨物ターミナル新設、保安検査設備更新、全天候型岸壁整備などを進める。トランプ政権は「米国海運の再建」に向け、物流・造船・港湾政策を国家安全保障戦略へ組み込む姿勢を鮮明にしている。
ショーン・ダフィー運輸長官は、「港湾は食料供給、エネルギー供給網、輸出市場を支える基盤だ」と強調。「America First」政策の一環として、港湾投資は雇用創出や経済成長だけでなく、安全保障強化にも直結すると説明した。MARADのスティーブン・カーメル長官も、「港湾インフラ近代化は米国の長期競争力を左右する」と述べている。
今回の港湾投資は、2025年4月にトランプ大統領が署名した大統領令「Restoring America’s Maritime Dominance」と連動する。同大統領令では、中国が世界商船建造の約半数を占める一方、米国の商船建造比率は1%未満まで低下したと指摘。港湾、造船、海運、物流を一体で再建する国家戦略を打ち出した。
大統領令では、造船所投資や港湾インフラ整備だけでなく、海運人材育成、米国籍船拡大、同盟国との造船連携、海事産業向け税制優遇、規制緩和など幅広い施策を列挙した。加えて、中国製ガントリークレーンや荷役機器への関税強化検討も盛り込んでおり、物流機器サプライチェーンの対中依存低減を進める構えだ。
また、カナダやメキシコ経由で輸入貨物を米国内へ搬入するルートに対しても、港湾維持税(HMF)徴収強化を検討する。外国貨物については、米港湾での通関を原則化し、迂回輸送による税負担回避を防ぐ考えを示した。北米物流網では近年、カナダ西岸港やメキシコ経由ルート活用が増えており、今後は越境物流コストや港湾選択にも影響を与える可能性がある。
さらに、港湾・海運政策を国防政策と一体運用する色合いも強い。大統領令では、商船隊拡大や休眠船隊維持、北極海航路戦略、軍民両用船舶確保、人材育成強化まで盛り込まれた。米政府は、有事輸送や造船能力を国家安全保障上の重要インフラと再定義しつつある。
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