M&A旭化成は12日、水島製造所(岡山県倉敷市)の一部誘導品事業を2030年度をめどに再構築すると発表した。スチレンモノマー(SM)やポリエチレン(PE)など一部製品の国内生産を終了する一方、アクリロニトリル(AN)は韓国子会社を含めた供給体制へ再編する。国内石油化学産業の構造転換と稼働率改善を進める狙いがある。
対象となるのは、SM、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、低圧法高密度ポリエチレン(HDPE)の3製品。いずれも1960-70年代に操業を開始した基幹誘導品だが、国内需要縮小や東アジア市場での競争激化を背景に低稼働が続いていた。同社は「状況は構造的かつ不可逆的」と判断し、生産終了を決定した。
ANについては、水島製造所の年間20万トンラインを停止し、現在メタクリロニトリル(MAN)を生産する年間5万トンラインでAN・MAN併産へ切り替える。供給は韓国子会社の東西石油化学と組み合わせて継続する。また、ポリカーボネートジオール(PCD)は国内生産を終了し、中国子会社での生産体制へ移行する。
今回の再編は、国内石化業界全体の供給過剰是正も意識した内容となった。経済産業省統計によると、国内SM需要107万トンに対し国内生産能力は161万トン、LDPEも需要129万トンに対し能力206万トンと、供給能力が需要を大きく上回る状況が続いている。旭化成は、自社撤退によって業界全体の稼働率改善につながるとみている。
国内供給拠点縮小に伴い、輸入品や海外グループ拠点からの供給比率上昇が見込まれる。特にANやPCDは韓国・中国拠点との連携強化を進める方針だ。同社は、生産終了まで4年の移行期間を設け、取引先の代替切り替えを支援する。対象事業の従業員251人は社内再配置を予定。設備は生産終了後に順次撤去する。
また同社は並行して、バイオエタノール由来のエチレン・プロピレン製造技術「Revolefin」の社会実装を推進する方針も示した。西日本エチレン生産体制のグリーン化や、石油依存低減を進める構想で、石化再編と脱炭素投資を同時に進める姿勢を鮮明にしている。
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