国際米国トラック協会(ATA)は15日、米下院歳出委員会が2027会計年度の商務・司法・科学関連歳出法案を可決したことを受け、貨物盗難に対する連邦レベルの対応強化につながるとして歓迎する声明を発表した。法案は今後、下院本会議で審議される。成立すれば、米司法省に貨物盗難事件への執行強化を求めるとともに、訴追体制の整備に向けて400万ドルを充てる。
今回の歳出法案は、米下院で同週に可決された「組織的小売犯罪対策法」(Combating Organized Retail Crime Act、CORCA)を補完するもの。ATAは、両制度により貨物盗難やサプライチェーン詐欺への対応を強められるとしており、貨物盗難対策を業界の重要課題の一つに掲げている。
法案には、ATAが求めてきた報告書文言が盛り込まれた。司法省に対し、120日以内に地域別タスクフォースの設置計画を説明するよう求める内容で、FBIが主導し、国土安全保障捜査局(HSI)、運輸保安庁(TSA)、米運輸省、連邦・州・地方の法執行機関と連携して捜査と訴追案件の送致を進める。これに200万ドルを配分する。
さらに、米連邦検事局を統括する部局に対し、90日以内に貨物盗難関連犯罪が多い連邦検事局を特定する報告書を提出させ、該当する検事局に少なくとも1人の追加弁護士を貨物盗難訴追に割り当てるよう求める。こちらにも200万ドルを計上する。ATAは26会計年度にも同様の規定を確保しており、司法省に実行を迫る連合にも参加している。
米国では貨物盗難が高度化し、国境を越えた組織犯罪としての性格を強めている。米運輸研究所(ATRI)の試算では、貨物盗難によるトラック業界の損失は1日あたり1800万ドル超に達する。欧米の物流セキュリティーデータベース「CargoNet」によると、特になりすまし、身元詐称、虚偽書類を使って貨物を別の場所へ誘導する「戦略的窃盗」は、2021年以降1500%増加した。
こうした犯罪は、物流事業者だけでなく荷主、倉庫、ブローカー、ドライバーを巻き込む。米国の運送事業者の90%は保有車両10台以下の小規模事業者であり、サイバー詐欺や偽装書類を使う犯罪集団に対抗する体制は限られる。盗難品の売却益が麻薬取引、組織犯罪、テロ資金に流れる可能性も指摘されており、ATAは貨物盗難をサプライチェーン上の損失だけでなく、公共安全や国家安全保障に関わる問題と位置付けている。
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