国際中国EC(電子商取引)大手の京東集団は19日、年次大型セール「618 Grand Promotion」を5月30日20時から開始すると発表した。2026年の618商戦では、商品カテゴリー横断で最大50%の直接割引を打ち出すとともに、消費者向けサービスと産業オペレーションの双方にAI(人工知能)を深く組み込む。同社によると、AIを全面的に統合した初の618商戦となる。
今回の販促では、価格表示を分かりやすくする「直接割引」を前面に出し、売れ筋商品、期間限定商品、新商品、カテゴリー単位のキャンペーンを展開する。価格差保証も拡充し、申請期間の延長や複数回申請に対応する。クーポン、フードデリバリーや旅行関連の特典、JD Plus会員向けサービス、分割払いなども組み合わせ、オンラインと実店舗を横断した購買体験を広げる。
618期間中、京東物流の大規模言語モデル「Super Brain LLM」を本格展開する。小売、物流、ヘルスケア、産業サプライチェーン、フードデリバリー、生活サービスなどでAI活用を進めており、全体では3000を超える業務・生活シーンにAIを適用するという。このうち物流・サプライチェーン領域では、1000を超える中核シナリオでAIを活用する。
Super Brain LLMは、サプライチェーンのリアルタイムナビゲーションのような役割を担い、数千万個規模の荷物を対象に輸送ルートを動的に最適化する。空車走行の削減や運用コストの低減につなげる狙いだ。さらに、AIを使った在庫診断ツールにより、ブランドや出店事業者が地域別需要や在庫水準を分析し、補充判断を高度化できるようにする。

(出所:京東集団)
商流側でもAIの位置付けは変わりつつある。京東は今回、100万以上の出店事業者に対し、経営診断、商品運用、マーケティング配信、ライブコマース、顧客対応、アフターサービスなどでAIを活用できる環境を提供する。AIライブ配信ツール「JoyStreamers」も、単なるAIアシスタントから、企画、販売、運営、分析まで担う成長支援エンジンへ機能を広げる。
消費者向けには、スマートハードウエア向けAIエージェント「JoyInside」を搭載した製品群を拡充する。玩具やロボットに加え、教育機器、学習ライト、スマートプリンター、スマートマットレス、調理ロボット、移動支援機器などへ対象を広げる。京東によると、JoyInsideは家電、ロボット、ヘルスケア、玩具、コネクテッド機器など200ブランドと連携しており、年内に1000万台超のスマートハードウエアへの搭載を見込む。
同社はAI関連の研究開発費を26年に前年比3倍に増やす計画も示した。JoyAI LLM、京東物流のSuper Brain LLM、京東健康の医療LLM、産業向けLLM、身体性AIモデルなどを組み合わせ、EC販促を単なる値引き競争ではなく、需要予測、在庫配置、輸配送、販売支援まで含めた運用高度化につなげる。618商戦は、中国ECの大型販促であると同時に、AIがサプライチェーンの実務にどこまで組み込まれるかを測る機会になりそうだ。
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