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治安悪化で陸路輸送が困難に

WFP、中央アフリカへの食糧支援を空輸にシフト

2014年2月17日 (月)

国際WFP、中央アフリカへの食糧支援を空輸にシフト世界食糧計画(WFP)は14日、紛争による深刻な飢餓が広がりつつある中央アフリカ共和国に対し、食糧の空輸を開始したと発表した。これまでWFPは同国の125万人を対象に食糧支援活動を展開してきたが、「道路の治安があまりに悪く、陸路では食糧を輸送できない」状態が続いていたことを受け、空輸に切り替えたもの。

まず、82トンのコメを積んだ飛行機が隣国のカメルーン・ドゥアラから、中央アフリカの首都バンギに到着した。今後4週間でおよそ25回の空輸が行われ、1800トンの穀物(15万人の1か月間の食糧に相当)を運ぶ。

これらの食糧は、家を捨て避難せざるを得なかった人々に配布されるが、5月には雨期が始まり、多くの道路が通行不能となるため、それまでに備蓄しておく食糧も緊急に必要とされている。さらに、「収穫物の備蓄が底を尽きる、飢餓に陥りやすい時期が今月にも到来する」としている。

WFP西アフリカ地域局長のデニス・ブラウン氏は「暴力の連鎖が止まらず、経済も混乱している中、中央アフリカの栄養・食糧危機はますます厳しいものとなっている。今回の空輸は、最も弱い立場の人々に食糧を届けるための命綱だ。空輸は経費が高くつくが、ほかに選択肢がない。紛争の被災者の命を救う食糧支援を緊急に行い、また雨期や飢餓に陥りやすい時期が到来する前に、地方で食糧の備蓄を進めなければならない」と話している。

治安の悪化に伴い、年初からWFPの食糧の備蓄は減る一方で、一時はWFPの食糧を積んだトラック51台がカメルーンとの国境で何週間も動かない状況に陥った。アフリカ主導中央アフリカ国際支援ミッション(MISCA)の護衛の下、食糧を積んだトラックの車列が2回、バンギに到着したが、「必要な支援用食糧をすべて運ぶには道路の治安状況があまりに不安定だった」という。

資金も不足しており、WFPが8月まで同国で125万人を対象に食糧支援を行うには1億700万ドル近くが必要だが、このうち27%しか資金が集まっていない。緊急食糧支援と食糧の備蓄を5月から前に進めるためには、追加資金が緊急に必要とされている。