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EU産業加速法、調達条件巡り加盟国で温度差

2026年6月1日 (月)

国際欧州連合(EU)の産業政策を巡り、域内優先と低炭素化の両立が物流・輸送分野にも波及しそうだ。CLECAT(欧州運送・物流・通関サービス協会)によると、EU産業相は5月28日、産業加速法(IAA)案に関する初の政策討議を行った。加盟国からは、制度の複雑さや行政負担の増大を懸念する声が上がる一方、公共調達における「欧州優先」と低炭素基準の導入を巡り、各国の立場の違いが浮き彫りになった。

IAAは、欧州産業の競争力強化を目的に、公共調達などで欧州製品や低炭素製品をどう評価するかを定める構想とみられる。フランス、ギリシャ、スペインは、より明確で限定的な欧州優先の枠組みを求め、「メイド・イン・ヨーロッパ」の対象を第三国まで広げすぎるべきではないと主張した。一方、ドイツ、ルクセンブルク、スウェーデンは、EUの貿易相手国に開かれた提案を評価。ベルギーなどは相互主義の重要性を指摘した。

低炭素調達基準については、中東欧や南東欧の複数国から、単一市場内の競争をゆがめる恐れがあるとの懸念が示された。加盟国ごとに経済規模や産業基盤、エネルギー事情が異なるため、一律の基準が導入されれば、対応力のある国や企業に有利に働く可能性がある。

対象分野の拡大も論点になっている。オーストリア、ブルガリア、エストニア、ギリシャ、ルーマニア、スペインは、造船、鉄道、EV(電気自動車)充電インフラなどをIAAの対象に加えるよう求めた。欧州委員会は、今後の産業優先課題に機動的に対応するため、二次立法を通じて対象分野を広げることに前向きな姿勢を示している。

欧州議会では、IAAを担当する3人の共同報告者が審議日程で合意した。欧州の競争力強化に向け、欧州優先を活用する方向ではおおむね一致しているとされるが、具体的な制度設計を巡っては対立が見込まれる。公共調達の条件が変われば、輸送機器、鉄道、充電インフラ、造船などのサプライチェーンにも影響が及ぶ。

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