荷主東芝は17日、無線通信や自動運転、ロボット制御など、刻々と状況が変化する環境下でも継続的な最適化を可能にする「量子インスパイアード最適化フレームワーク」を開発したと発表した。状況判断を行うAI(人工知能)と独自の量子インスパイアード最適化計算機「シミュレーテッド分岐マシン」(SBM)を組み合わせ、実システムでの適用拡大を目指す。
物流や通信、モビリティー分野では、限られた資源の配分や最適な組み合わせの選択を行う組合せ最適化が重要な課題となっている。例えば無線通信では周波数や時間スロットの効率的な割り当て、車載システムやロボット分野では周囲の移動体や障害物の状況に応じた認識や追跡、経路選択、タスク割り当てなどを短時間で実行する必要がある。しかし、実際の運用環境では通信状況や周辺環境、センサー情報が常に変化するため、短時間で適切な解を導き続ける仕組みが求められている。
今回開発したフレームワークでは、最適化制御AIが問題の規模や特徴を分析し、SBMのパラメータや実行環境を自動選択する。大規模問題にはFPGA実装のSBM、小規模問題にはCPU実装のSBMを使い分けることで、高速かつ安定した処理を実現する。また、最適化問題を表現するイジングモデルの圧縮技術を導入し、データ転送量や演算時間を削減した。これによりシステム全体の低遅延化を図り、リアルタイム性が求められる用途への適用を可能にした。
評価では、無線マルチホップネットワークにおけるTDMA(時分割多元接続)スケジューリングを想定した実験を実施した。問題の規模や構造が変化する状況でも、従来のソフトウェアベースのMIS(最大独立集合)ソルバーより高速に処理できることを確認したという。
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