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景況感改善も物流コスト重く、設備投資は高水準

2026年6月30日 (火)

調査・データ日本商工会議所は30日、2026年6月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果を公表した。全産業合計の業況DIはマイナス22.2となり、前月から2.1ポイント改善した。中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格や仕入れ価格の上昇は続いているものの、一部では供給再開や代替品の提供が進み、影響が軽減しているとの声も出ている。

業種別では、建設業、製造業、卸売業で設備投資需要を背景に引き合いが見られた。小売業では価格転嫁の進展が業況改善につながった。一方、物価高や円安の影響で消費マインドは弱い動きが続いており、夏のボーナスや自治体の物価高対策による下支えは限定的とみられる。7-9月の先行き見通しDIはマイナス23.2で、今月から1.0ポイント悪化した。

(クリックで拡大、出所:日本商工会議所)

物流に関わる面では、エネルギー価格や資材価格の上昇が引き続き企業収益を圧迫している。北海道では、エネルギー価格の高止まりに伴う輸送コスト上昇を背景に、運送業を中心に売上が悪化した。関東でも、卸売業でエネルギー価格の高騰が物流コストを押し上げ、飲食料品関連の売上・採算が悪化した。食品卸売では、包装材の在庫不足を受けて代替案を模索しているものの、品質保持に特殊フィルムが必要な商品では容易に切り替えられないとの声があった。

中東情勢の影響については、ナフサ由来資材やオイル類の調達に一部改善の兆しが見られる一方、価格高騰は続いている。包装資材卸売業では、一部商品の出荷再開や代替品提案が増えたものの、仕入れ価格の上昇が続き、販売先との価格改定交渉が必要になっている。建設業でも、ナフサ関連資材を扱う事業者で受注減少や工期延期、縮小の影響が残っている。

設備投資では、25年度に設備投資を実施した企業が50.4%となり、24年度から1.8ポイント増えた。26年度に設備投資を実施、または予定している企業は47.1%で、前年調査から3.5ポイント増加した。中小企業の設備投資意欲は高い水準を維持しているが、投資規模を縮小するとした企業は28.2%と、25年度から7.0ポイント増えた。設備価格や資材価格の上昇が、投資判断に影響しているとみられる。

設備投資の内容は、生産設備・機械が44.5%で最多となり、IT・ソフトウェアが40.2%で続いた。車両・運搬具も31.9%に上り、トラックや営業車などの更新需要が一定程度あることがうかがえる。投資目的では、設備の老朽化に伴う更新が61.1%で最も多かった。これに、現在または将来の需要増への対応が34.4%、省力化などによる人手不足対応が32.6%、DX化の推進が24.0%、時間外労働や長時間労働の抑制が23.6%で続いた。

企業の声では、運輸業でキャッシュレス対応機器を導入し、クレジットカード決済への対応と従業員負担の軽減を図る事例が示された。建設業や製造業でも、人手不足に対応するための機材、ソフトウェア、搬送ロボット、AI導入への関心が出ている。中小企業の設備投資は、老朽設備の維持更新に加え、省力化や業務効率化、物流コスト上昇への対応を含む実務的な投資へ広がっている。

調査は6月15日から19日まで、全国323商工会議所の会員2414社を対象に実施し、1897社から有効回答を得た。物価高、資材調達、物流費、人手不足が同時に重なるなか、足元の景況感は改善した。今後は、コスト増に対する価格転嫁と、設備投資を通じた生産性向上をどこまで進められるかが、中小企業の収益改善を左右する。

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LOGISTICS TODAY編集部
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