調査・データ日本商工会議所は5月29日、5月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果を公表した。全産業合計の業況DIは▲24.3となり、前月から2.4ポイント悪化した。中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格、仕入れ価格の上昇、調達困難化が広がり、物流費の上昇も中小企業の収益を圧迫している。調査は5月14日から20日に実施し、全国323商工会議所の会員企業1926社から回答を得た。
業種別では、建設業が▲24.8で前月から0.4ポイントの悪化にとどまった。底堅い設備投資需要が下支えしたが、エネルギーや資材価格の上昇、調達難の影響は続いている。製造業は▲22.6と1.3ポイント悪化した。原材料や資材の調達制約により、生産量の減少や売上機会の損失を指摘する声が出た。自動車関連では、加工油やナフサの不足が工場稼働に影響しかねないとの懸念も示された。
卸売業は▲30.8で2.2ポイント悪化した。建築資材や機械器具を中心に仕入れ価格上昇と調達困難化が重なり、一部では見積もりや新規取引を停止する動きも出ている。小売業は▲30.7で4.5ポイント悪化。包材やトレーなど石油由来製品の価格上昇、供給制約に加え、消費者の節約志向が重荷となった。サービス業は▲18.0で3.1ポイント悪化し、自動車整備業ではエンジンオイル、ブレーキオイル、タイヤなどの欠品や納期遅延が発生している。
先行き見通しDIは▲27.3で、今月比3.0ポイント悪化した。高水準の賃上げは一定の下支えとなるものの、燃料価格の上昇や長引く物価高が消費マインドを下押ししている。中東情勢の影響収束が見通せないなか、現状が長期化すれば、事業計画の見直しや資金繰り悪化につながる懸念が強まっている。
地域別では、9ブロックのうち北海道、東北、関東、中国、四国、九州が悪化。関東では燃料費高騰と部品調達遅延が自動車整備業を圧迫し、飲食店でも手袋や包材など石油由来製品の供給不足が原材料費を押し上げている。関西では、ナフサを原料とする化学繊維の仕入れ価格上昇が繊維製品製造業の採算を悪化させた。
付帯調査では、2025年度の採用実績と取引適正化の動向を取り上げた。25年度に「募集し、採用できた」企業は52.4%、「募集したが全く採用できなかった」は8.7%だった。予定人数を採用できた割合は52.0%にとどまり、建設業は40.9%と低い。人手不足が続くなか、物流費や調達難、価格転嫁の遅れが重なり、中小企業の経営環境は一段と厳しさを増している。
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