調査・データ日本商工会議所が4月30日に公表した商工会議所LOBO(早期景気観測)調査によると、4月の全産業合計の業況DIは−21.9と前月比1.9ポイント悪化した。中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格や原材料価格の上昇、調達困難化が幅広い業種に波及し、中小企業の景況感は一段と厳しさを増している。
業種別では、卸売業が設備投資の堅調さや気温上昇に伴う季節需要により改善した一方、建設業、製造業、小売業は軒並み悪化した。建設業では資材価格高騰と人手不足に加え、石油化学製品の供給不安が重なり、工程遅延や原価管理の難しさが顕在化している。製造業でも重油や包装材などの価格急騰、塗料や樹脂といった原材料の供給停滞が見られ、操業への影響を懸念する声が広がっている。小売業では物価高を背景とした消費者の節約志向が強まり、非必需品を中心に買い控えが発生している。
サービス業はエネルギーコスト上昇の影響を受けつつも、行楽需要の回復により飲食を中心に客数が増加し、全体としては横ばいとなった。ただし利益率の低下や価格転嫁の難しさが課題として残る。
先行きについてはさらに厳しい見方が強まっている。先行き見通しDIは−27.0と今月比5.1ポイント低下。賃上げや大型連休による需要増が下支え要因となる一方、燃料価格の上昇や長引く物価高が消費マインドを抑制する可能性が指摘されている。中東情勢の長期化はサプライチェーンの混乱や資金繰り悪化を招くリスクがあり、不透明感が一層高まっている。
付帯調査では、コスト増加分の価格転嫁が進みにくい実態も浮き彫りとなった。価格協議自体は76.3%の企業で実施されているが、「4割以上の価格転嫁」ができた企業は52.8%と横ばいにとどまり、仕入れ価格の急変に転嫁が追いつかない状況が続く。特に労務費の転嫁は38.9%と低水準で、小規模企業ほど転嫁が難しい構造が鮮明となっている。
サプライチェーンの寸断リスクとコスト上昇圧力が同時進行するなか、物流を含む供給網全体での負担調整や価格転嫁の実効性が、今後の企業収益を左右する局面に入っている。
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