国際欧州連合(EU)は1日、域外から消費者へ直接発送される150ユーロ未満の小口EC(電子商取引)貨物について、従来の関税免除措置を廃止した。オンライン購入された第三国発の低価格商品には、1品目あたり3ユーロの暫定関税を課す。急増する越境EC小口貨物に対し、EU域内事業者との競争条件をそろえ、消費者保護や税関管理を強化する狙いがある。
150ユーロ未満の関税免除は、オンライン購入が限定的だった時代に設けられた制度で、EUは現在のEC取引量やデジタル化した通関環境に合わなくなったとみている。EUによると、2025年には第三国からの低価格小口貨物が59億点流入し、1日あたり1600万個以上が通関された。低価格貨物は輸入品目数の97%を占める一方、輸入額では2%にとどまるという。
今回の措置では、関税は消費者ではなく、販売や輸送に関わるプラットフォーム、事業者から税関当局が徴収する。消費者が配送時に追加で支払う仕組みではないとしている。これにより、EU域内の小売事業者が一括輸入で関税や規制対応を負担する一方、域外の大規模EC事業者が小口直送を通じて相対的に有利になる構図を是正する。
安全面の管理も強める。EU全域の25年調査では、域内に入る低価格商品の60%超が製品要件や安全基準に適合していないとされた。新制度では商品識別子(PID)の申告も導入し、リスク管理や検査手続きを高度化する。PID申告は26年7月1日から任意で始まり、同年11月から義務化される予定だ。個別貨物だけでなく、同様のリスクを持つ商品群を対象にした管理を進める。
3ユーロの関税は暫定措置で、28年7月にEU Customs Data Hubが稼働するまでの対応となる。その後は商品の関税分類、原産地、価格に基づく通常の関税ルールへ移行する。EUの税関改革では、小口EC貨物への取扱手数料導入も予定しており、税関当局の処理コストを補う仕組みを26年11月1日までに導入する方針だ。
低価格品を大量にEUへ直送するプラットフォームや販売事業者、国際宅配・郵便・フォワーダーには、品目単位の課税対応、PID管理、データ連携の精度向上が求められる。返品や長距離輸送、包装廃棄を伴う高速ECモデルへの環境面の問題意識も背景にあり、EU市場向けの越境EC物流は、価格競争だけでなく規制対応力を問われる段階に入る。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。































