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物流新法の実効性確保へ、関係者会議が初会合

2026年7月15日 (水)

ロジスティクス内閣官房が設置した物流政策推進関係者会議の第1回会議が開催された。同会議は、2025年6月に議員立法により成立した「貨物自動車運送事業の適正化のための体制の整備等の推進に関する法律」に基づき、政府の「物流政策推進会議」の下に設置された実務的な連絡調整機関。物流の実務に関して十分な知識と経験を有する関係省庁や業界団体、労働組合が一堂に会し、「何も対策を講じなければ2030年度には輸送能力が34%不足する」とされる深刻な物流危機を回避するため、ドライバーの処遇改善、多重下請け構造の是正、取引環境の適正化に向けた具体策の進捗管理や実務的な調整を行う極めて重要な役割を担う。

会議の冒頭、加藤竜祥国土交通大臣政務官は「現在、整備された法律に基づいて物流業界全体の見直しなどの施策を強力に推し進めている。トラックドライバーの経済的社会的身位の向上やトラック輸送業界の質の向上を図るため、許可更新制度や適正原価が導入されることになる。より実りある議論が行われることを期待する」と挨拶した。

▲国土交通大臣政務官の加藤竜祥氏

続いて、全日本トラック協会の坂本克己最高顧問から、物流の現場から熱い決意が表明された。

「物流の仕事は暮らしを支える仕事であり、産業、経済を活かすための基盤。ドライバーが夢と希望、自信と誇りを持てるようにしていかなければならない」

また、制度の整備により働き手が適切な報酬を受け取れるようになるという「成功例」を物流業界から全国へ広げていく決意を力強く語った。

▲全日本トラック協会最高顧問の坂本克己氏

会議では、国土交通省大臣官房審議官(物流・自動車局担当)の木村大氏から、トラック適正化二法および改正物流法(物流効率化法)の進捗状況と最新データが報告された。

トラック適正化二法のうち、運送委託次数の制限や違法な「白トラ」に係る規制などについてはすでに施行済み。懸案の「適正原価制度」や「5年ごとの事業許可更新制度」については、法律の公布から3年以内となる28年6月10日までに施行するというスケジュールが示された。

これに向けて、十分な周知期間を確保するため、国交省・経産省・農水省に加え、全ト協や運輸労連などが参画する「適正原価の設定に向けた有識者検討会」の第1回は今週18日に開催される。

大規模な事業者を「特定事業者」に指定して規制する改正物流法に関し、5月末を期限とする届出状況(7月9日時点)が公表された。

CLO選任義務が発生する荷主・連鎖化事業者は3200社程度を想定していたが、届け出は3299社となった。そのほか、保有台数150台以上のトラック事業者は867社、保管量70万トン以上の倉庫事業者は58社となった。

▲議長を務めた国土交通省大臣官房総括審議官の岡野まさ子氏

さらに、実運送事業者を対象にした運行実態調査の速報値として、トラックドライバーの1運行あたりの平均拘束時間は10時間13分となり、前年度の11時間46分から1時間33分の大幅な短縮を記録したと報告。この短縮の要因は、荷待ち・荷役時間が前年度から1時間16分減少し、2時間2分となった点にあり、25年4月から施行された改正物流法による荷主側・事業者側の双方の努力が確実に実を結び始めていることを示した。

しかし、アンケート結果からは「共同配送やバース予約システム導入といった他者との連携・設備投資が必要な項目は、中小事業者を中心に依然として実施率が低い」という課題も浮き彫りになっており、依然として一部で5時間を超える荷待ちが発生している現場への指導継続が必要とされた。

続いて、物流の効率化と持続可能性確保に向けて、主幹省庁の審議官・局長からそれぞれの取り組み方針が述べられた。

農林水産省からは「農林水産物、食品については、鮮度や品質の維持が求められるとともに、全国各地の産地から消費地まで効率的に輸送されるという特徴がある。これらの物資の安定供給を図る上で、物流が極めて重要な位置を占めている」と説明。農水省としては、食料サプライチェーンの持続性を高めるため、標準仕様パレットの利用拡大、デジタル化の推進、集約物流拠点の整備などの流通合理化・共同化を強力に推進するとした。

経済産業省は「物流の持続可能性の確保は、我が国産業全体の競争力や成長力にも関わる重要な課題となっている」と説明。また、今春の法全面施行に伴い、全国で少なくとも1600人以上のCLO(物流統括管理者)が新たに誕生することに言及。「CLOを起点に、物流を企業経営の中心に据えて戦略的な改革に取り組む段階に入った」と強調した。 さらに、適正取引の推進として「来年4月からは、従来の『発荷主』だけでなく、新たに『着荷主』も運送事業者への不当な荷待ち・荷役強要の規制対象に追加される」という重要な法改正ロードマップを提示した。共同配送やモーダルシフトを推進する「フィジカルインターネット」の早期実現に向け、公取委や他省庁との連携をさらに強化する。

▲会議の様子

厚生労働省は「働き方改革推進支援助成金という枠組みの中で、荷主の方と運送事業者が協力をし、荷待ち荷役時間の短縮を行う取り組みに対する助成制度を行っている」と説明。 厚労省としても、ドライバーの適切な労働時間管理や健康確保を念頭に、商慣行の見直しと環境改善のための経済的支援を継続していくとした。

2024年の改善基準告示の改正以来、物流関連の法制度が大きく変わった。これまで、新しい制度ができるたびに「ただ新法制度を作るだけで終わっては、仏を作って魂入れずになってしまう」ということが繰り返し言われてきた。今回の関係者会議と、18日に第1回が開催される有識者検討会によって、新法制度に「魂を入れる」作業が本格化することになる。

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