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今後も通販と3PLがけん引、JLL調べ

東京圏の物流施設市場、10四半期連続で賃料上昇

2014年3月6日 (木)

調査・データJLL(ジョーンズラングラサール)が6日発表したアジア太平洋地域の不動産調査レポート「アジアパシフィックプロパティダイジェスト日本版2013年第4四半期」によると、東京の賃貸物流施設市場は賃料が10四半期連続で上昇した。また、向こう12か月は、通信販売業と3PL事業者がけん引する形で「賃料の緩やかな上昇が持続する」との見通しを示した。

賃料は月額坪単価が5915円(共益費込)で前期比0.6%の上昇となった。賃料の上昇は10四半期連続で、力強い需要に対して供給が限定的な状況を反映。2013年通年では1.4%の上昇となった。

通信販売業者や3PL業者の移転需要が旺盛さを維持しているものの、東京湾岸地域は空室がないことから賃貸事例がほとんど見られず、湾岸以外の東京圏で大規模移転がみられた。

期中の主な賃貸事例としては、ロジパルエクスプレスが神奈川県内陸部で「横須賀物流センター」を賃借(賃貸面積1万3000平方メートル)、国内大手スポーツ用品企業が埼玉県内陸部「GLP桶川」を賃借(同1万7000平方メートル)した事例があった。また、12月に神奈川県内陸部で竣工した「GLP厚木」を3PL業者バンテックが賃借(3万平方メートル)した。

東京圏全体では、東京湾岸で「市川塩浜物流センター」(5万7000平方メートル)、内陸部で「SGリアルティ柏B棟」(11万7000平方メートル)、「DPL相模原」(10万3000平方メートル)、「GLP厚木」(8万6000平方メートル)などの新規供給があった。

また、「プロロジスパーク市川3」(6万平方メートル)、「GLP八千代」(7万2000平方メートル)、「GLP狭山日高2」(8万5000平方メートル)の新規供給計画の発表があり、3棟とも2015年に竣工する。

向こう12か月の見通しとしては、力強い需要と限定的な供給で賃料の上昇トレンドは持続、空室は新型物流施設スペースに対する力強い需要と開発用地の不足による限定的な新規供給を背景に、引き続き限定的となるとの見通しを示した。

急速に拡大する通信販売市場と物流効率化を図る企業のニーズを背景に、通信販売業や3PL業がけん引する見通しで、スペースの希少性と経済回復とが相まって、賃料の緩やかな上昇トレンドは持続すると予測した。