メディカルタイガー魔法瓶(大阪府門真市)は20日、Gaudi Clinical(ガウディクリニカル、東京都中央区)と共同で、再生医療向けの小型医療検体輸送容器「真空断熱セルポッド」を開発したと発表した。細胞を検体ごとに個別管理しながら、公共交通機関やハンドキャリーで輸送できるようにする。2026年4月から実証実験を進めており、27年の実用化を目指す。
従来の細胞輸送では断熱輸送箱を使うケースが多く、輸送手段が限られるほか、医療機関内での持ち運びや取り扱いの負担が課題となっていた。複数の検体を1つの容器で運ぶ場合には、検体の出し入れに伴う温度変化や取り違えなどのリスクも想定される。
セルポッドは、タイガー魔法瓶のステンレス真空断熱技術を応用して容器を小型化。検体単位で扱えるため、専用車両への依存を抑え、公共交通機関を含む輸送手段の選択肢を広げる。実証では、渋滞を回避した輸送による定時性の向上や、作業負担、細胞取り違えリスクの低減につながる可能性を確認したという。
温度管理には潜熱蓄熱材を使用し、内容物について20度帯で24時間、5度帯で11.5時間の温度維持を確認した。ふた部分には太平洋工業製の温度ロガーを内蔵し、Bluetoothでスマートフォンと連携する。輸送中の温度データをリアルタイムで取得し、設定温度を逸脱した場合にはアラートを発報する。データはクラウドに集約し、本部側で輸送状況を集中管理できる。
両社は今後、実証結果を踏まえて容器や運用方法を改良し、再生医療における細胞採取から輸送、調製、医療機関への納品までの物流工程への導入を検討する。
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