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殺処分後の輸送の安全化に期待

京産大、口蹄疫ウイルス対応の輸送用防疫バッグを開発

2014年5月27日 (火)

サービス・商品京産大、口蹄疫ウイルス対応の輸送用防疫バッグを開発(1)京都産業大学は27日、京都府、太陽工業と共同で、口蹄疫ウイルスと同等の大きさの超小型ウイルス(20-30ナノメートル)を通過させず、処分家畜から発生するガスを通過させることができる、家畜伝染病まん延防止のための輸送用「防疫バッグ」の開発に成功した、と発表た。農林水産省の競争的研究資金(2012年度・13年度)の採択を受けた取り組み。

家畜伝染病の発生時には、農場で殺処分した家畜の輸送が大きな課題となるが、今回開発した防疫バッグは口蹄疫ウイルスと同等の大きさの超小型ウイルスを通過させず、処分家畜から発生するガスは通過させることが確認できていることから、輸送の安全を確保するために使用することが期待される。処理も焼却可能な素材で構成しているため、収容状態のまま焼却処理でき、焼却時にダイオキシンなどの有害物質が発生しないことも確認できているという。

京産大、口蹄疫ウイルス対応の輸送用防疫バッグを開発(2)家畜伝染病予防法では、殺処分家畜などの処分方法を「焼却または埋却」と規定しており、鶏の場合には感染性廃棄物容器を利用することで焼却施設まで病原微生物を散逸することなく輸送、焼却処分できるものの、牛など大型家畜には、この条件を満たす容器がなかった。

農林水産省消費・安全局が開発した移動式レンダリング装置によって、都市部や河川の近傍など埋却地の確保が困難な場合にも埋却以外の処分が可能となったことから、農場から装置の設置場所まで安全に輸送できる、備蓄可能な容器と輸送システムの開発が急務となっていた。

京産大では、家畜伝染病発生時のまん延防止に向けた殺処分家畜の輸送技術を確立するため、2種類の容器開発と着実な作業に向けたマニュアル作成の3段階でゴールを設定して取り組んだ。