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製配販連携、初年度は豆腐とつゆ対象

天気予報で物流を変える試みスタート、日本気象協会

2014年10月9日 (木)

話題日本気象協会(東京都豊島区)は9日、天気予報で物流を変える取り組みとして「需要予測の精度向上による食品ロス削減、省エネ物流プロジェクト」を実施すると発表した。

同協会が気象情報を核として高度な需要予測を行った上で、食品メーカー(製)、卸売事業者(配)、小売事業者(販)と需要予測の情報を共有し、食品ロスの削減と返品・返送、回収、廃棄、リサイクルなどで不要に発生している二酸化炭素の5%削減を目指す試み。

製・配・販を気象情報でつなぎ、協業して「ムダ」を削減する事業は国内で初めて。経済産業省の「2014年度次世代物流システム構築事業費補助金」の採択事業として実施する。

食品の物流では一般的に、製・配・販各社が独自に、気象情報や各社のPOS(販売時点情報管理)データなどに基づいて需要予測を行っているが、各社が需要予測で用いるデータは十分に共有されているとは言えず、流通の各段階で生産量や注文量にミスマッチ(予測の誤差)が起こり、廃棄や返品ロスなどのムダが生じる一因となっている。

そこで、このプロジェクトでは、日本気象協会が気象情報、POSデータなどのビッグデータを解析し、高度な需要予測を行った上で製・配・販各社に提供。気象情報には、「アンサンブル(集団)予測」を用いた長期予測なども活用し、需要予測の精度をさらに向上させる。これにより、廃棄や返品などを減少させ、不要に発生している二酸化炭素を5%削減する。

初年度の2014年度は、対象地域を関東地方、対象商品を「豆腐」「麺つゆ・鍋つゆ」の2品目に絞って実施する。

豆腐は気象状況によって売り上げ変化が大きな日配品の代表として、麺つゆ・鍋つゆは、賞味期限は長いものの特定の季節に需要が集中する季節商品の代表として選択した。豆腐は相模屋食料(群馬県前橋市)、麺つゆ・鍋つゆはミツカン(愛知県半田市)が食品メーカーとして事業に参加する。

15年度以降は、対象商品を食品に限らず気象条件によって廃棄・返品ロスが生じている商品すべてに広げ、対象地域も全世界に拡大していく。また、流通の各段階で適正在庫を確保し、商品の安定供給を可能にすることで、最終消費者もメリットを得られることを目指す。

■現状(出所:日本気象協会)
天気予報物流を変える試みスタート、日本気象協会

■事業イメージ(出所:日本気象協会)
天気予報物流を変える試みスタート、日本気象協会
■プロジェクトの概要
実施主体:一般財団法人日本気象協会
食品メーカー:「豆腐」相模屋食料(前橋市)、「麺つゆ・鍋つゆ」Mizkan(愛知県半田市)
卸売事業者:国分(東京都中央区)
小売事業者:ココカラファインヘルスケア(横浜市)、国分グローサーズチェーン(東京都中央区)、新日本スーパーマーケット協会(事務局:東京都千代田区)
2014年度オブザーバー:ローソン(東京都品川区)