行政・団体公正取引委員会は9日、建設用クレーンなどを製造販売するタダノに対し、改正前の下請法に基づく勧告を行ったと発表した。下請事業者に金型などを無償で保管させたり、棚卸作業を行わせたりしたことが、不当な経済上の利益の提供要請に当たると判断した。
公取委によると、タダノは自社が販売または製造を請け負う建設用クレーンなどの部品について、下請事業者50社に製造を委託していた。遅くとも2024年1月以降、このうち22社に対し、長期間発注していない部品の製造に使う金型、樹脂型、木型など計314個を、保管費用を負担しないまま保管させていた。また、50社に対して計173回、金型などの現状確認を目的とした棚卸作業を行わせ、その費用も負担していなかった。
同社は25年1月31日から26年3月31日までに、保管費用として計335万7151円を支払い、金型など56個を廃棄させていた。ただ、公取委は、この金額が下請事業者側の実際の保管状況を考慮せず、タダノが賃借する倉庫の賃料などを基に算定されたものだったと指摘した。保管費用は、下請事業者の保管状況を踏まえ、適切な協議を経て決める必要があるとしている。
勧告では、22社に対して金型などの保管費用に相当する額から既払い分を除いた額を支払うこと、50社に棚卸作業費用に相当する額を支払うことを求めた。あわせて、同様の行為を行わないことを取締役会で確認し、役員や発注担当者への取適法研修など社内体制を整備するよう求めている。
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