NEC、手のひらサイズの年齢・性別推定センサーを開発

サービス・商品日本電気（NEC）は31日、顔認識技術を利用して、自動販売機などを利用する人の年齢・性別を推定できる手のひらサイズのカメラ一体型超小型センサーの試作機を開発したと発表した。

このセンサーを機器に組み込むことで、事業者は収集した各種のデータを分析し、マーケティングなどに利用することが可能になる。

現在、一部の自動販売機に年齢・性別推定システムが導入されているが、複雑なデータ処理のために高性能なコンピュータが必要で、各種機器へ組み込むには、より小型で低消費電力のセンサーが求められていた。

NECが開発したセンサーは、同社北米研究所の顔認識技術をベースに新規に開発した顔の特徴から年齢・性別を推定するソフトウェアを、超小型のチップに実装し機器に組み込むもの。これにより、パソコンやサーバを使った従来の顔認識システムに比べて、約100分の1の小型化、約50分の1の低消費電力の実現を見込んでいる。

センサーを自動販売機、売店のPOS端末、ATMなどに組み込むことにより、事業者はこれまで困難だった購入者の年齢層、性別などの人物データをリアルタイムかつ高い精度で収集できるようになり、マーケティングに利用することで、新たな商品開発やサービスの向上が期待できる。同社は今後、機器周辺の明るさ、温度、湿度などの各種センサー情報を同時に収集できるよう、チップや基板の機能を強化する。