ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

川崎近海、新中計策定、近海部門の収益改善に注力

2015年4月30日 (木)

ロジスティクス川崎近海汽船は4月30日、2018年3月期を最終年度とする新たな中期経営計画を策定した。近海部門で船隊規模の適正化を進め、15年3月期に13億7200万円だった同部門の営業損失を低減、最終年度に5億円の赤字まで縮小させる。

これにより、全社の営業利益を15年3月期の23億6100万円から18年3月期に34億円まで引き上げる。

近海部門では、収益改善を進めるため、適正な船隊規模による効率配船、新規顧客の獲得を目指し、営業基盤の東南アジア域内にとどまらず、北米航路や東南アジア以西のエリアまで視野に入れた営業活動を展開。

バルク輸送では、遠洋区域を含めてより広域な地域で営業し、木材輸送では合板輸送の課題となっている積・揚地の集約を図る。さらに、増加が見込まれるPKSなどバイオマス発電関連の貨物に対しても適した船腹の確保に取り組む。

内航部門は、不定期船輸送で専用船の安全運航の維持と安定輸送の確保、新たな荷主、新規貨物の開拓を積極化し、新造船投入を含めた船隊整備を図る。

定期船輸送では、北関東地区の高速道路の整備に合わせて茨城港(常陸那珂港区・日立港区)を基点とした北海道・関東・九州間の需要をさらに取り込むため、新規航路の開設を検討する。

フェリー輸送では、八戸・苫小牧航路の4隻体制を維持し、トラック、乗用車、旅客の輸送量を増やす。18年の宮古・室蘭航路開設に向けた準備も進める。

このほか、2013年10月にオフショア・オペレーションとの共同出資で設立したオフショア・ジャパンで、国内最高性能の新造オフショア支援船が2016年2月に竣工。新造船は日本の領海・排他的経済水域で石油・天然ガス試掘、海洋資源物理探査、洋上再生可能エネルギー施設設置などを目的としており、これらの支援船活動を実施する。

近海、内航、新規事業の新造船建造などに対する投資規模は、3年間で総額133億円とする計画。