ロジスティクス台湾リターンヘルパーの日本法人Return Helper(東京都渋谷区)が、越境EC(電子商取引)の返品物流で効率化を推進する。同社代表の柴田駿平氏は、AI(人工知能)を活用したレコメンデーション機能の導入により、倉庫内の在庫滞留期間圧縮を図る。三菱倉庫グループからシリーズAラウンドの資金調達を完了しており、グローバルな物流網の相互補完と発送業務への参入で事業拡大に弾みをつける構えだ。

▲Return Helperの柴田駿平社長
柴田氏は大学時代に米国へ留学し、日常的にeBay(イーベイ)を利用した原体験を持つ。イーベイ・ジャパンで10年以上越境EC支援に携わった後、複数の外資系ECスタートアップの日本展開を牽引した。イーベイ在籍時から、国境を越えるEC取引での高い返品コストを大きな課題と認識していたという。
日本での資金調達に際し、柴田氏は「日本語での折衝が求められる場面では、私が自ら交渉にあたった」と振り返る。国内で10社以上のベンチャーキャピタルと折衝を重ねた結果、MLCベンチャーズ(中央区)からの出資獲得に結びつけた。
国内物流大手の三菱倉庫グループとの協業には、高いシナジーを見込む。柴田氏は「我々単体では専門領域外のフォワーディングのところで、ご一緒するということもできる」と期待を語り、同グループが保有する海外倉庫アセットと、リターンヘルパーが15か国で展開する返品ネットワークを組み合わせる戦略だ。未進出エリアへの展開など、ワールドワイドな物流網の相互補完を推し進める。
今後は返品物流にとどまらず、「FlexForward」(フレックスフォワード)のブランド名で通常の越境EC販売発送業務への参入もすでに開始した。日本語サポートやグローバル拠点網を強みに、日本セラー向けに独自の現地でのフルフィルメント・サービスを提供する。
同社の大きな特徴は、返品の8割以上を日本へ戻さず現地でのリコマースや処分で完結させる点にある。現在は画像で状態を確認し、セラーが再販を判断する仕組みだ。
ここに最新テクノロジーを投入し、さらなる物流効率化へ貢献する。新機能の導入により、商品の画像から主要プラットフォームでの市場価格や販売ペースを提示。セラーの迅速な意思決定を促し、現金化までのリードタイムを短縮させる。結果として倉庫内の滞留期間を短くし、在庫回転率を大幅に向上させる方針だ。
柴田氏は「そこの回転率が上がってこない限りは、永遠に倉庫スペースを拡張していかないといけない」と具体的な意図を語り、積極的なシステム投資で課題解決に寄与する。(菊地靖)
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