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独禁法適用除外制度全体は「維持」決定

国交省、外航海運の運賃同盟「将来の廃止」へ方向性

2016年6月14日 (火)

ロジスティクス国土交通省は14日、外航船社間で結ばれる運賃同盟やコンソーシアムなど独占禁止法の適用除外となっている制度を公正取引委員会と協議しながら再検討した結果、「適用除外制度は当面維持する」ことを決めたと発表した。ただ運賃同盟については「役割が著しく低下している」と指摘、廃止の方向性を打ち出したうえで、新規審査件数を抑制するなど、見直すことにした。

外航海運の独占禁止法適用除外制度は、2010年度に見直しを検討した際、いったん維持しつつ「2015年度に再検討を行う」ことにしていた。これを踏まえて国交省が公取委との協議と並行して再検討した結果、制度そのものは維持するが、運賃同盟については、将来的な廃止に向けて見直すことになった。

外航海運に独禁法適用除外が認められてきた背景には、(1)世界単一市場で激しい国際競争が行われている(2)サービス供給量の調整が容易ではなく供給過剰に陥りやすい(3)巨額投資が必要であり他社との連携の必要性が極めて高い(4)国際的な法制度の整合性の確保が求められる――といった業種特性がある。

しかし、運賃同盟については役割が「著しく低下」し、締結件数も減少傾向にあることから、新たな届出は海上運送法の規定に対する適否審査を厳格化し、件数の抑制を図ることとした。

また、既存の運賃同盟についても荷主団体、船社との意見交換を通じて同盟が機能しているのかを確かめ、確認できなかった場合には運航事業者に「速やかな脱退」などの必要な見直しを行うように求める。

当面はこうした対応を継続し、運賃同盟の締結件数が減少してサービスの安定的な提供に支障が生じないと判断した場合には、運賃同盟に限って適用除外制度を廃止する方向で見直すとした。