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富士運輸、GPS活用と独自の高汎用車両で優良表彰

2016年9月5日 (月)

認証・表彰富士運輸、GPS活用と独自の高汎用車両で優良表彰長距離幹線輸送を全国展開する富士運輸(奈良市)はこのほど、GPSを活用した位置情報システムや幅広い積み荷に対応する「スーパーマルチ車両」の開発によって空車率を半減した取り組みが評価され、近畿運輸局から交通関係環境保全優良事業者表彰を受賞した。

表彰理由となった同社の取り組みは、リアルタイムに車両の位置情報を把握して配車に活用するものと、架装メーカーと共同開発した汎用性の高い「スーパーマルチ車両」を用い、省燃費につなげたものの2本立て。これらの取り組みにより、2005年に30%だった空車率が15年には15%と半減、CO2の排出量も大幅に削減した。

同社が車両にGPSの搭載を開始したのは05年で、すでに10年以上の活用実績を持つ。当時、同社がGPSを導入したのは、荷主に位置情報を提供するためで、国内初の取り組みだったという。

09年にはこの仕組みを活用し、空車情報をメール配信するサービスを開始。自社だけでなく荷主もリアルタイムで同社車両の現在地、車両情報を確認し、急な依頼があった場合でも最寄りの車両を提供できる体制が整った。

また、受賞理由の重要な要素となったスーパーマルチ車両も、GPSシステムの活用と無関係に取り組んだものではなく、荷主のオーダーにより素早く対応できるよう検討した結果、「さまざまな積み荷に対応」できる車両を架装メーカー、自動車メーカーと連携して開発したのだという。

従来は急な問い合わせや依頼を受けた際、近くに空車があっても積荷に合わない架装の車両であるケースもあり、別の車両を手配する必要が生じていた。

幅広い積み荷に対応できるようにしたことで、「どの顧客の要望にもほぼ応じることができるため、空車走行率を大幅に下げることができた」(富士運輸)。同社では「今後も引き続き導入を検討し、さらなる環境への取り組みを、進めていきたい」としている。

■富士運輸
長距離幹線輸送をメインに全国30拠点、グループ全体で42拠点のネットワークを展開。大型車を中心に900台の車両を保有し郵便輸送、国際航空貨物輸送、大手路線便、大手メーカー物流輸送、冷凍冷蔵輸送の5つのセクターを中心に営業活動を行っている。「国際航空コンテナ搭載可能」車両230台、常温輸送が可能な「空調車」56台を保有し、さまざまな顧客の特殊な輸送ニーズに対応している。