ヤマト、北海道の過疎地域で｢客貨混載｣本格運用

ロジスティクスヤマト運輸は27日、北海道で路線バスが宅急便を輸送する「客貨混載」の本格運用を開始した。

名士バス、士別軌道、十勝バスの3社と組み、それぞれのバス会社が事業を展開する地域で、過疎化や高齢化が進む中山間地域のバス路線網の維持と物流の効率化による地域住民の生活サービス向上を検証する。

7月から北海道運輸局が主導する形でバス事業3社とヤマト運輸による「ひと・もの協働輸送プロジェクト」が発足。道内の4路線（恩根内線・下川線・朝日線・帯広陸別線）で路線バスが荷物を輸送する「客貨混載」の実証実験を行っていたが、2か月間の実証実験を終え、本格的に客貨混載を開始することとなった。

▲左から名士バス、士別軌道、十勝バスの車両

この取り組みでは宅急便を積載するため、座席の一部を荷台スペースとして確保した路線バスが運行する。

ヤマト運輸は「セールスドライバーが美深町・下川町・朝日町・陸別町に滞在できる時間が増えるため、顧客からの要望に対して柔軟に対応できるようになる」と客貨混載による地域住民のメリットを挙げ、バス会社にとってはバス路線の生産性と新たな収入源確保、自社にとっては「トラックの走行距離が1日60キロ削減され、CO2排出量の低減につながる」と説明している。