ロジスティクス近鉄エクスプレスは9日、米州、東アジア・オセアニアで航空貨物量が計画を下回って推移している一方、航空運賃の原価率が上昇基調にあるとして、通期売上予想を190億円(4%)引き下げた。前期実績は417億円上回る。
売上減に加え、香港の持分法適用非連結子会社に関連するのれん相当額に対し、7億7400万円の減損損失を計上。さらに、インドにおける用船契約に関連し、損害賠償の支払いを求める仲裁裁定を受けたとして6億7800万円を特別損失に計上することから、最終利益は前回予想より42億円少ない28億円にとどまる見通しとなった。
同社が9日発表した2016年4-12月期決算によると、売上高は買収したAPLロジスティクス分の上積みがあるため18.4%の増収となったが、既存事業は日本m米州、欧州・中近東・アフリカ、東アジア・オセアニア、東南アジアと全面的に前年同期実績を割り込んだ。
特に米州部門は売上が2割近く落ち込み、利益も40%を超えるマイナス幅を記録。米国西岸で前年、港湾荷役作業の停滞に伴い航空輸送需要が拡大したが、その反動で輸出が伸びず、輸入も自動車・エレクトロニクス関連を中心に物量が減少し、物流受託も米国・カナダの大手荷主向けの取り扱いが振るわず低調に推移したのが響いた。
APLロジスティクス部門は旧親会社からの分離に伴う経営基盤強化費用が増えた中でも15億2700万円の利益を確保したが、最終的にはのれん償却などがかさみ、29億6600万円の営業損失を計上した。
■第3四半期(2017年3月期)
期初からの累計実績(百万円) | 前年同期比 | 対売上高利益率 | 直近3か月(百万円) | 前年同期比 |
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売上高 | 349,542 | 18.4% | 113,288 | 38.4% | |
営業利益 | 8,585 | -20.4% | 2.5% | 2,372 | -41.2% |
経常利益 | 8,731 | -29.3% | 2.5% | -- | -- |
最終利益 | 2,386 | -67.0% | 0.7% | -- | -- |