ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

採算性悪い用船解約などで特損650億円

川崎汽船が収益性改善へ構造改革、今期赤字拡大

2019年3月7日 (木)

ロジスティクス川崎汽船は7日、収益力改善や、市況の影響を受けやすい船隊の縮減を柱とした構造改革を実施するため、総額650億円にのぼる特別損失を今四半期(2019年3月期第4四半期)の業績に計上すると発表した。これにより、通期業績は連結営業損益が1月末に発表した「50億円の損失」から「210億円の損失」へ、最終損益も「200億円の損失」から「1000億円の損失」へ、それぞれ大幅に赤字が膨らむ。

特損として、コンテナ船事業統合会社のオーシャンネットワークエクスプレス(ONE)に対して用船しているコンテナ船の損失引当に伴うものとして150億円、コンテナ船やドライバルク船の用船解約を見込むことに伴うものとして500億円をそれぞれ計上する。

邦船三社のコンテナ船事業統合会社として昨年、営業を開始したONEは、営業開始後にサービスが混乱、現在は「正常化」して積高と運賃も改善傾向にあるものの、今期は赤字となる見込み。川崎汽船では、こうしたONEの状況を踏まえ、「翌期以降の抜本的な収益力の改善を目的とする構造改革」を検討し、自社船舶の用船を行っているコンテナ船関連損失について「合理的に見積り可能な金額」として150億円を引き当てることにした。

併せて、これらのコンテナ船と市況の影響を受ける中小型ドライバルク船のうち、採算性の悪い船舶については用船契約を解除し、解約に伴う特別損失として500億円を計上する。