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日本郵船が最終赤字445億円、トップ交代へ

2019年4月26日 (金)

トップ交代の理由を説明する日本郵船の内藤忠顕社長

話題日本郵船は26日、邦船三社によるコンテナ船事業統合後の市況低迷やドライバルク船の構造改革に伴う損失などを2019年3月期連結決算で特別損失に計上したことで、最終損益がこれまでの予想(10億円の損失)を大きく下回り、445億円の赤字になったと発表した。同時に内藤忠顕社長が6月19日付で代表権のない会長に退き、長澤仁志副社長が社長に昇格するトップ人事を内定した。

売上高と営業損益はこれまでの予想を上回り、それぞれ1兆8293億円(前期比16.2%減)、110億円の利益(60.2%減)となったものの、経常損益は20億円の損失、最終損益も445億円の損失を計上するに至った。

損失の最大要因となったのは、用船市況の低迷によって、邦船三社のコンテナ船事業を統合して発足した「オーシャンネットワークエクスプレス」(ONE)に対する貸船が想定通りの収益に結びつかず、実際の市況に合わせて見直したことに伴うもので、見直しの結果、契約損失引当金繰入額の310億円を特損に計上。ドライバルク船の構造改革に伴う損失(期前返船)100億円も特損としたことで、445億円の最終赤字に追い込まれた。

26日に行われた社長交代会見で、内藤社長は交代理由について「日本貨物航空が行政処分を受けたことに対するけじめ」であることを強調。特損の大部分を占めたONEの事業状況に対しては「ONEは単月黒字化している。新しいONEが始まるのは5月中ばと思っており、やっていることは間違いない」と説明した。

報道陣からの「ONEとNCA(日本貨物航空)の責任を取るということか」という質問に対しては「深く受け止めてはいるが、それぞれに一定のメドがたったところで、さらに力を入れるべくポジティブに経営刷新の決断をした」と回答、引責辞任と受け止められることに否定的な反応を示した。

■決算集計(見出し:年/決算期/四半期、[]:前年同期比、単位:百万円)
 19/3/通期19/3/3Q 19/3/中間 19/3/1Q
売上高1,829,300 [-16.2%]1,384,620 [-15%]915,670 [-13.9%]464,895 [-10.8%]
営業利益11,085 [-60.1%]4,564 [-81.6%]-4,194 [ - ]-8,119 [ - ]
最終利益-44,501 [ - ]-8,715 [ - ]-9,795 [ - ]-4,594 [ - ]
売上高営業利益率0.6%0.3%-0.5%-1.7%