ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

川崎汽船、コンテナ船事業損失384億円改善で黒字化

2020年5月11日 (月)

財務・人事川崎汽船が11日に発表した2020年3月期の連結決算によると、昨年ブラジルで発生したダム決壊事故の影響を受けたドライバルク部門と新型コロナウイルスの影響を受けた製品物流部門で売上を落とし、売上高は前期比12.1%減の7352億8400万円となったものの、製品物流部門のコンテナ船事業で経常損失を384億円改善し、その他の部門でも179億円を積み増した結果、全体の経常損益は74億700万円(前期489億3300万円の損失)の黒字で着地した。

▲経常損益変動の要因(出所:川崎汽船)

コンテナ船事業は、オーシャンネットワークエクスプレス(ONE、シンガポール)の積高・消席率の回復、貨物ポートフォリオ改善、航路改編・合理化による運航費削減――などの取組効果に加え、持分法損益改善の241億円が大きく寄与した。

また、エネルギー資源部門は油槽船・電力炭船・液化天然ガス輸送船・海洋資源開発が安定的に収益に貢献し、部門売上は減収だったものの、部門利益は前期比の4倍に迫る99億円(前期25億円)となった。

一方で、四半期ごとの業績を見ると、新型コロナウイルスの影響を受けた第4四半期は全体の経常損益が損失171億円と急速に悪化しており、現時点で今期の見通しを合理的に算定することが困難であるとして、業績予想の開示は見送った。