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ワクチン物流、縦割りや業種別の区切り不要/解説

2020年12月16日 (水)

話題国際物流の各論は情報として参考にすべきだが、まずは国内での新型コロナウイルスワクチン投与について、国主導での指針発表を急がねばならない。

ワクチン輸送対策の万全を得るためにも、航空・海運・鉄道・自動車陸運の業態別ではなく、ワクチン種別とそれに応じた保管・中間輸送・最終拠点配達および各都道府県内での地域事情に対応した「業務フロー」にかかわる人員への優先投与を認めるべきだ。(企画編集委員・永田利紀)

IATA、航空労働者へのワクチン優先接種呼びかけ
https://www.logi-today.com/412273

火急の連続が予測される現場で、関係者が感染の恐怖や抵抗感にさいなまれつつ業務にあたる事態は避けなければならないし、今ならその準備を抜かりなくできる。当事者たちの家族をはじめとする近親者の心情を酌んでおくことぐらいの先回りはあたりまえのことだ。

(イメージ画像)

フォワーダーから始まり、医療現場での実務者たちに至るまでの一連した作業や準備にかかわる全人員へのワクチン優先投与が、滞りない国民皆接種への前提条件となる。国難にあって、業界や個別企業間の壁など論外だということはわれわれ物流人の本心だし、それに準じて行動を貫くのは当然のことと承知しているはずだ。

ここは行政の出番、ほかにこの任をこなせる者はいない。「新型コロナワクチンを配布するまでの全ルートにかかわる人間すべてに、優先投与するべし」と大号令を発してもらいたい。

多くの分野や場面で世界最高水準をほこるわが国。今回は行政・事業者・国民が三位一体となった連携を生み出し、国際指標としては最高レベルと評価される行動を実践できれば「事は成る」と確信している。