
▲待機中のガス濃度を測定する検証に使用した「YOROI6S1750F」(出所:C&R社)
調査・データクリーク・アンド・リバー(C&R、東京都港区)は23日、大型ドローンを開発するサイトテック(山梨県身延町)と共同で、物流や土木など5つの分野でドローンによる重量物運搬の検証を行った、と発表した。
実証実験で使用した機体は、最大積載重量30キロの「YOROI(よろい)6S1750F」と、最大離陸重量140キロの「KATANA(かたな)12D1750F」の2機種。八ヶ岳連峰の山小屋に最大15キロの物資を届ける実験や、急斜面な山の中腹に最大20キロの林業資材を届ける実験のほか、水難救助訓練で浮き輪やロープ、20キロのブイを投下する実験なども行った。
同社によると、急斜面な山の運搬作業や中山間地の物流に大型ドローンの導入が期待されている一方で、山間部は気候の変化や電波障害などを受けやすく、安全な離発着場所の確保も課題となっているという。今後は実用化に向けた課題の解決や環境の整備に関係機関と連携して取り組む。
■2020年に実施した主なプロジェクト
【物流・輸送】八ヶ岳連峰における山小屋への物資輸送
【林業】苗木や林業資材(滑車やワイヤーなど)の運搬
【土木・建設】作業場へ建築資材(長さ4mの鉄パイプや足場板)運搬
【医療・災害】緊急時に陸上輸送が困難な場面を想定した医薬品搬送/消防隊との水難救助共同訓練
【計測・調査】グリーンレーザーやガス分析機器などを搭載しての計測・調査
■山小屋への物資輸送の様子