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コロナ禍のインパクトが時代を進める/解説

2021年1月20日 (水)

話題 新型コロナウイルスの流行は疑いなく疫災だが、事業者の奮闘や創意工夫には目をみはるものが多い。まさに「禍を転じて」のお手本ともいえる数値が、JILSのアンケート調査には如実に表れている。

荷主の4割「トラック確保しやすくなった」、JILS調べ
https://www.logi-today.com/416509

対応力の柔軟さや機敏さに加えて、コロナ禍にあっても営業推進への注力を滞らせない点を何よりも評価したい。 荷主企業や物流事業者にとっては、平時が続けばおそらくは10年単位でしか実行できなかった決断や取捨選択が、数か月間の間に判断と実行を迫られる事態となった。対処のすべてが必ずしも奏功に終わったとはいえないかもしれないが、自社の潜在力や意識しなかった行動力を再確認・再評価した企業は少なくなかったはずだ。
「やればできる」は火事場でのにわか力ではなく、稼働していなかった自社の部位や能力の発動によるものに他ならなかった――つまり潜在力の喚起がなされる契機となった。
働きかたを変えることで、事業そのものの切り口や価値観が変質する。
非接触の推進は自動化のそれと同義であり、もはや流れは止まることはないだろう。この先数年で急激に速まり幅を拡げることは確実で、その流れに逆らう者は、ほどなく力尽きて溺れるか、流れから逃れて過去という岸辺に取り残されるかの行く末が待ち受けるだけ――という気がしてならない。
(企画編集委員・永田利紀)