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JR東、10月から新幹線レールゴーの後継サービス

2021年9月28日 (火)

話題JR東日本傘下のジェイアール東日本物流(東京都中央区)は28日、荷物1個から新幹線による荷物輸送を利用できる「新幹線レールゴー・サービスの手軽さを受け継ぐ新サービス」を10月1日から開始する、と発表した。

JR東日本では9月30日に新幹線レールゴー・サービスを終了することにしていたが、荷物1個から列車出発の30分前まで受け付けできるという手軽さを受け継ぐ新サービスを新設し、利用可能な列車本数も従来サービスに比べて拡大。「事前の打ち合わせによらず、すぐに荷物を運んでほしい」というニーズに対応する。

東北新幹線と上越新幹線の上下線各11-12本、1日に合計47本でサービスを提供する。利用できる荷物の重量は最大30キロ、サイズは最大52×38×27センチで、1個につき1010円から4450円で設定する。

取扱駅は東京駅(お荷物サービスカウンター、BAGGAGE STORAGE)、仙台駅、新潟駅の3駅で、ジェイアール東日本物流がサービス主体となる。

「レールゴー・サービス」のレガシーを引きずっていないか

JR東日本が10月1日に開始する、荷物1個から新幹線による荷物輸送を利用できる新サービス。既存の新幹線レールゴー・サービスに入れ替わる形で始まるわけだが、どうもサービス内容に目新しさを感じないのは気のせいだろうか。

そもそも、なぜレールゴー・サービスは終了したのか。かつては東海道・山陽新幹線を含めた全国に展開していた人気のサービスだった。宅配便の普及拡大や高速道路網の整備による配送網の強化など、さまざまな社会背景はあったが、衰退した要因の一つは、こうした宅配便サービスとの競合に敗れたことではなかったか。つまり、「集荷をしてくれるのか、荷物を駅に持ち込まないといけないか」の選択で、劣勢に回ってしまったからではなかったか。

例えば、星の数ほどに存在する宅配業者を結ぶマッチングサービスと連携した「集荷+新幹線+宅配」サービスも、用途によっては実現可能ではないだろうか。新幹線の高速性と定時性を活用すれば、最短で半日での配送も可能かもしれない。レールゴー・サービスは、社会のニーズの変化に対応できず退場した施策だったはずだが、新サービスがどうもそのレガシーを引きずっているように見えてならない。(編集部・清水直樹)