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山陽線貨物脱線、許容量上回る積荷偏りが要因か

2022年1月5日 (水)

(イメージ)

ロジスティクス日本貨物鉄道(JR貨物)は4日、広島市安芸区のJR山陽線瀬野駅・八本松駅間で2021年12月28日夜に発生した貨物列車の脱線事故について、積載コンテナに許容値を上回る積荷の偏りが確認されたと発表した。国土交通省の運輸安全委員会が脱線事故の原因を調査中だが、コンテナの偏積が要因になっている可能性もある。

JR貨物は、貨物列車を利用する運送事業者に対して、コンテナへの荷物の搬入時に偏積の状態にならないよう、協力を求める。さらに、貨車の走行時のバランスが適正であることを確認するため、輪重測定装置の整備も検討する。

14年6月に北海道木古内町のJR江差線(当時、現・道南いさりび鉄道)泉沢駅・札苅駅間で発生した貨物列車の脱線事故では、偏積が原因とみられることが判明。JR貨物は江差線での事故を受けて、偏積防止を利用事業者に呼びかけるなどの対応を進めていた。

JR貨物によると、今回事故を起こした貨物列車は広島貨物ターミナル駅(広島市南区)発東京貨物ターミナル駅(東京都品川区)行き。コンテナ貨車23両と牽引機関車1両、後押し機関車1両の25両編成。運転士が非常ブレーキの動作で停止したため車両を確認したところ、機関車を含め前から12両目の貨車1両の進行方向前側の2軸4輪が左側に脱線しているのを発見した。脱線によるけが人はなかった。

事故の状況も江差線のケースと類似点があることから、運輸安全委員会が事故原因を慎重に調べている。

なお、事故発生区間を管轄する西日本旅客鉄道(JR西日本)は、脱線防止ガードを増設。貨物列車の運行を12月31日に時速45キロの徐行による運転を再開した。