国内A.L.I. Technologies(ALI、東京都港区)は19日、2021年4月にKDDIとパーソルプロセス&テクノロジー(東京都江東区)が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から受託した事業「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト/地域特性・拡張性を考慮した運航管理システムの実証事業」にかかる公募に採択され、高知県四万十町と共同で物流・防災・調査・測量のドローン活用実証実験に成功したと発表した。

(出所:A.L.I. Technologies)
中山間地域の多い高知県四万十町は、災害対策や安定的に物資供給の観点から、ドローン配送システムによる生活インフラの強化が求められている。このたびの地域実証は、継続的な運航管理システムの活用における安全面やコスト構造、オペレーションフロー、住民の受け止め方など、ドローン社会実装の要素や課題を検証した。
ALI独自のドローン管制システム「C.O.S.M.O.S.」(コスモス)と、運航管理統合機能(FIMS)を連携させることで、空間と飛行の一元管理が可能となる。公民館などをドローン配送の拠点として該当箇所から定時運行や有事の際の航路設定をすることで、自治体が主体となって空で起きているアクティビティを把握できるほか、安全で安定的なドローン物流システムを運用できるのが特徴だ。
実証では、コスモス接続モジュールを搭載したドローン機体をFIMSに連携させることで、自治体が実施したい検証項目への対応の可否や、山間部などの通信回線が弱い場所を把握しながらの安定的な機能、四万十町におけるドローン定期便システムとして持続可能な配送サービスの実現について、仮説を検証。ドローンによる生活物資や災害支援物資の輸送実験を行った。
コスモスとFIMSを実証に活用したことで、オペレーションの現場拠点とALIの本社、四万十町に仮設した管理センターの3拠点からのリアルタイムでのドローン運航管理に成功。コスモスで空間や飛行を一元管理することで、ドローン飛行の安全性担保や現場オペレーションコストの削減につなげられることが立証された。

▲物流ユースケースによる実証実験の様子(出所:A.L.I. Technologies)
ALIは、今回の実証実験の成功を契機として、地域の方と連携・協力しながら、住民の課題やニーズに沿ったドローン活用システムの社会実装に貢献していく。