ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

三菱造船、アンモニア・液化CO2輸送船の研究完了

2022年4月18日 (月)

▲アンモニア・液化CO2兼用輸送船のイメージ図(出所:三菱造船)

環境・CSR三菱重工業グループの三菱造船(横浜市西区)は18日、アンモニアと液化CO2の輸送を兼用できる「アンモニア・液化CO2兼用輸送船」の船型に関するコンセプトスタディー(概念研究)を完了したと発表した。

将来的な増加が見込まれるアンモニアと液化CO2の輸送需要に柔軟に応えるべく、液化CO2船の市場において主流となり得る船型をベースに、商船三井と協業で実施。アンモニアは、安定的なクリーンエネルギーとして将来的な活用が見込まれており、海上輸送が増加すると予想されている。

LCO2船は、低・脱炭素社会を実現する手段の一つとして注目されているCCUS(二酸化炭素回収・有効利用・貯留)のバリューチェーンにおいて、回収し液化したCO2を貯留地や有効利用地へ効率的に輸送する手段の一つとして重要な役割を担う。三菱重工業グループは、CCUSによる2050年時点のCO2削減量を年間で最大130億トンと想定している。

今回コンセプトスタディーを実施したアンモニア・液化CO2兼用輸送船は、往路でアンモニア、復路でLCO2を輸送すると想定。それぞれの専用船を用いた場合は通常復路は空荷で運航することになるが、兼用化により空荷での運航をなくし全体の輸送効率を高められるのが特徴だ。

三菱造船は、今回得られた知見や技術課題を踏まえてさらなる技術開発を行い、今後も幅広く海事関連企業や石油開発企業等との協働などを経て同船の製品化を目指す。バリューチェーン全体を踏まえた顧客ニーズに柔軟に対応するべく、この船型をベースとしたさまざまな船型の検討にも引き続き取り組んでいく。